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四章
4ー62
しおりを挟む「はっはっはっ。ほれ。」
お婆ちゃんが豪快に笑うと、両目に手を当てた。
そうして、両手をマーニャたちに見せる。
『目だーーーっ!!』
『きゃーーーーっ!!』
『目玉のお婆ちゃんなのーーーっ!』
「魔王様っ!そんなに簡単におねだりを聞いてはなりませんっ!!」
って、マジかい。
まさかのお婆ちゃん両目がポロリと取れた。
お婆ちゃん、義眼だったんだ。
お婆ちゃんの両手のひらで転がる義眼を見て唖然とした。
だって、お婆ちゃんの手のひらに乗っている義眼がぎょろぎょろと意識を持ったように動いているのだ。
普通の義眼ではない。
「「おいっ!まおーっ!!」」
し、しかもしゃべったーーーーーっ!!
この義眼しゃべるし!!
『目玉がしゃべったの!!』
『しゃべるのっ!!』
『すごいのっ!!』
マーニャたちは義眼がしゃべったことに驚いてはいるが、どちらかというと恐怖ではなく興奮しているようだ。
すごい!すごい!とはしゃいでいる。
じっと義眼を見ていると、義眼からピョコンッと白く細い手が生えた。
手が生えたかと思うと、今度は白く細い足も生えてきた。
しかも細く白い足は真っ赤なハイヒールを履いている。
うぅ・・・。
普通の義眼じゃない。
絶対違う。
手足の生える義眼なんて知らないし。
それに、そんな義眼を普通目に入れるなんてことしないし。
「はっはっはっ。すごいじゃろ。・・・ごほっ。」
マーニャたちがはしゃいでいる姿を見て、まんざらでもないのかお婆ちゃんは嬉しそうに笑ってる。
そうして、またお婆ちゃんの口から入れ歯が零れ落ちた。
『きゃーーーーっ!!』
『歯が飛び出たのーーーっ!!』
『面白いのーーーっ!!』
そのおかげで更にマーニャたちが騒ぎだす。
もう楽しくて楽しくて仕方が無いようだ。
どうして、義眼から手足が生えていることには突っ込まないのだろうか。
って、マーニャたちに言っても仕方がないよね。
「「まおーっ!なんだ、こいつらは!!」」
義眼のお姉さんは・・・って、お姉さんでいいよね。だって、ハイヒール履いてるもんね。
義眼のお姉さんはマーニャたちの熱に中てられたのか、右手で目を覆いながらふらふらとお婆ちゃんの手の中で踊っている。
「はっはっはっ。ふみょふにゃーのふにゅふにゅにゅ・・・。」
お婆ちゃんが義眼のお姉さんに向かって何か言っているみたいだが、入れ歯が取れてしまっているため何を言っているのか聞き取ることができない。
義眼のお姉さんも同じようで首を・・・もとい義眼を器用に傾げている。
「「まおー・・・。よくわからない。ちゃんとに喋ってよ。」」
マーニャたちの勢いに飲まれて義眼のお姉さんの語尾は消え入りそうなほど小さくなっていった。
「魔王様っ!入れ歯を洗ってきましたよ!!」
と、そこにタイチャンがお婆ちゃんの入れ歯を持って現れた。
ナイスっ!タイチャン!!
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