上 下
431 / 584
四章

4ー40

しおりを挟む

「女神(?)様、いっちゃった・・・。」

「そうね・・・。」

「っていうかさ、女神(?)様が目覚めるのは数百年後って言ってたよね?」

女神(?)様は私に世界を任せると言って自分は長い眠りについてしまった。

報酬にスキルをくれるという話だが、そのスキルがどういうものかというのも聞けなかったし、今は女神(?)様も力を使い果たしてしまっているから、その報酬というものもすぐにはもらえないようだ。

というか、女神(?)様が目覚めるまでスキルはもらえないということだよね・・・?

それまで何百年とタダ働きのようである。

しかも、何百年もたって女神(?)様が覚えているとは限らないし。

そう思うと大きなため息が出てしまった。

「マユ、あまり気張らないことよ。」

「そうは言ってもねぇ・・・。」

マリアはなぐさめてくれるが、これからのことを考えると頭痛がしてくる。

今まで女神(?)様がおこなっていたことを私なんかが代役できるのだろうか。

そう思うと胃まで痛くなってくるような気がした。

『マユ、安心するのじゃ。妾たちがおるのじゃ。マユは一人ではないのじゃ。妾たちがいればなにも恐れることはないのじゃ。』

『そうなのだ。我らにできぬことはないのだ。』

「タマちゃん・・・。プーちゃん・・・。ありがとう。」

そうだ。

私は一人ではなかったんだ。

マリアもいるし、タマちゃんやプーちゃんたちもいる。

それにマーニャたちもいるのだ。

こんなに心強いことはない。

『そうと決まれば家に帰るのだ。トマトがどうなっているのか気になるし、早くトマトが食べたいのだ。』

『妾は甘味でよいぞ。でも、トマトとやらも食べてやってもよいのじゃ。』

『クーニャはミルクがほしいのー!』

うん。知ってた。

みんな食欲が一番だということ。

でも、食べることは何よりも大事だと思う。

「そうだね。ここでの仕事も終わったし女王様に報告して帰ろうか。」

「そうね。恙無く終わったことだしね。」

そうして私たちは自宅へと帰ることになった。





しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

エイミーと旦那さま ① ~伯爵とメイドの日常~

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:347

分厚いメガネを外した令嬢は美人?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:433pt お気に入り:1,460

あなたは知らなくていいのです

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:57,062pt お気に入り:3,959

婚約破棄した元婚約者は私の友人と結婚するみたいです。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:10

処理中です...