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四章
4ー20
しおりを挟む「・・・ん。あれぇ・・・?」
プーちゃんとタマちゃんがパンケーキで戯れていると、エーちゃんがやっと目を覚ましたようです。
目をこすりながら、こちらを見てくるエーちゃんはとっても可愛い。
ほんと、エルフの王様なんかより小動物って言われた方が違和感がないくらいだ。
『目覚めたのー。』
『大丈夫なのー?』
『痛い痛いなくなったのー?』
マーニャたちもエーちゃんのことは心配していたようで、3匹でエーちゃんを取り囲んで心配そうに覗き込んでいる。
「にゃ・・・にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃんこなのーーーーーーーーっ!!!可愛いのーーーーっ!!!・・・グハッ。」
ドサッ・・・。
ドガッ・・・。
『大丈夫なのーーーーっ!?』
『痛い痛いなのーーーーっ!!』
『また意識とばしちゃったのーーーっ!!』
エーちゃんはマーニャたちの可愛さに感服して意識を飛ばしたようです。
じゃなくって、マーニャたちの可愛さに驚いて椅子から転がり落ちてテーブルの足に頭をしたたか打ち付けたようだ。
エーちゃん・・・。なんて残念な子・・・。
「話が進まないわね・・・。」
「そうだね・・・。」
マリアがため息を溢すように呟いた。
さっきからエーちゃんが意識を失ってばかりで話が進まない。
タマちゃんもプーちゃんもエーちゃんの集落を襲ったエルフのことを知っているようだし、ここはエーちゃん抜きで話を進めた方が早いかもしれない。
「ガー様、私たちはエーちゃんの集落に行ってみます。エーちゃんが目覚めたらそう告げてくださいませんか?」
「あ、ああ。わかった。」
ガー様にエーちゃんが目覚めた際の伝言を託した。
急にいなくなってしまってもエーちゃんが不安がるかもしれないしね。
ガー様はプーちゃんとタマちゃんがいるからか、大人しく頷いていた。
まあ、ガー様も悪い人・・・ダンマスでもないようだし、きっとこの約束は守ってくれるだろう。
「プーちゃん、タマちゃん。私たちも一緒に行くからね。」
『うむ。邪魔だけはしないようにな。』
『危ないようならば妾の空間に放り込むのじゃ。』
「・・・わかった。邪魔はしないようにする。」
まあ、邪魔なんてできないと思うけれど。
タマちゃんやプーちゃんが相手にしたくないと言っているような問題のあるエルフなのだ。
私がしゃしゃりでるまでもないだろう。というか、前にでることはないだろう。
じゃあ何故お荷物になるのが分かっているのにプーちゃんたちについていくのかって・・・?
そんなの、ついていかないと誰がエーちゃんに説明すればいいかわからないからである。
タマちゃんはプーちゃんに説明を頼むとややこしいことになりそうだし。
ここは客観的に説明できる私とマリアが必要になるだろう。
それに、プーちゃんとタマちゃんが我が子可愛さに問題のエルフを野放しにする可能性もあるしね。
「マーニャたちはタマちゃんの空間に隠れててね。」
『『『わかったのーーー!』』』
危険かもしれないからマーニャたちにはタマちゃんの空間に隠れていてもらうことにした。
そうして、私たちはいざプーちゃんの転移の魔法でエルフの集落に向かうことになったのだった。
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