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四章

4ー15

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「お知り合い・・・ですか?」

私は意をけっしてタマちゃんとプーちゃんに問いかける。

『うむ。エルフのエーちゃんだ。』

「へ?」

『だから、エルフのエーちゃんだ。』

「は?」

『物わかりが悪いな、マユは。この者はエルフのエーちゃんと言う者なり。』

「ほ?」

エルフのエーちゃんという名前なのはわかった。

っていうか、エーちゃんって渾名だよね?確実に。

もしかして、プーちゃんエーちゃんの本名覚えてないとか?

あり得るな。

だってプーちゃんだもの。

『プーちゃんよ。それではマユはわからぬのじゃ。エーちゃんはのぉ、エルフ族の王なのじゃ。そして、エルフの始まりの祖でもあるのじゃ。』

「ほぇ?」

ダメだ。

タマちゃんの説明もよくわからない。

エーちゃんがエルフの王様?

エルフの始まりの祖ってどういうこと?

理解が追い付かない。

『マユはおつむが弱いのかのぉ。つまりじゃ、エーちゃんはエルフの中で一番偉いのじゃ。そして、エーちゃんはプーちゃんが作ったエルフなのじゃ。』

「ふぁっ!?」

や、やっと理解が出来たぞ。

エーちゃんはエルフの中で一番偉いってことなんだね。

っていうか、プーちゃんが作ったから始まりの祖なのか。

んにゃ?

そうするとエーちゃんって何歳!?

「は、始まりのエルフだとっ!!!?」

それまで大人しく話を聞いていたガー様が突然叫びだした。

『うむ。そうだが。』

「こんなちんちくりんエルフが、始まりのエルフだとっ!!!?信じられん!!!」

あー、ガー様。

それ、言っちゃダメなやつ。

さっきもそれで怒られたんだから、学習しようよ。私に言われたくないこもしんないけど。

『ほぉ。我が端正込めて作ったエーちゃんをちんちくりん呼ばわりとは・・・。お主よい根性をしてとるのぉ。』

ほら。プーちゃんが殺気だってしまった。

このあとの展開は押して知るべし。

まあ、さっきと同じことが繰り返されました。

「し、ししししし始祖竜様のおっしゃるとおりにございまするぅぅぅ。」

エーちゃんが震えながら言った。

てか、エルフの王様なんでしょ?こんなしゃべり方で大丈夫なのかな?

人見知りも激しそうだし。

『うむ。エーちゃんは可愛いのだ。』

「きょ、恐悦至極にございまするぅぅぅ。」

『はっはっはっ。』

プーちゃんは何が面白いのか、思いっきり笑った。

「ところで、エーちゃんって本名はなんて言うの?」

さっきから渾名で呼んでいるようなので聞いてみる。

『うむ?なんだったかのぉ。』

すぐに思い出せないのかプーちゃんが考え込んでしまった。

『エルダードラゴンじゃ。』

するとタマちゃんが教えてくれた。

・・・ってそれ、ぜったい違うでしょ。

『ん?違うとおもうぞ。たしか、エンシェントドラゴンだったような・・・。』

っておい!プーちゃんそれもぜったい違うと思う。

『なんかしっくりこないのぉ。エンカウントドラゴンじゃったか?』

続いてタマちゃん。

どうやらエーちゃんの名前をプーちゃんもタマちゃんも覚えていないようです。

「どの名前もドラゴンってついている時点で違うと思うんだけど。ドラゴンっていったら竜だよ?エーちゃんすみませんがお名前を教えていただけますか?」

「・・・誰も私の名前を覚えてないのですね・・・。」

エーちゃんは、寂しそうに呟いた。

でも、エーちゃんもどうやら名前を教えてくれそうにない。

もしかして、エーちゃんも自分の名前を覚えていないってことはないよね?

まさかね。

もう誰もエーちゃんの本名を覚えていないようだから、私もエーちゃんと呼ぶことにした。

相手はエルフの王様だけど。

あれ?そしたら、エー様と呼んだほうがいいのかな?

『のぉ、エーちゃん。なぜ、こんなところで食堂を開いておるのじゃ?お主はエルフの王じゃろ?』

タマちゃんが至極まっとうなことをエー様に訊ねる。

「せ、せせせせせせ精霊王様。わ、わわわわわ私は趣味でこの食堂を・・・。でも、先日、私の村が襲われて側近たちが私だけ逃がしてくれたのですぅぅぅぅ。うぇぇぇ~~~~~ん。」

あ、なにやら訳ありだったようだ。

エー様急に泣き出してしまった。
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