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四章
4ー9
しおりを挟むどうやら屋台のおじさんとおばさんが紹介してくれたエルフの可愛い店員さんがいる食事処件宿屋は普通の人間には見ることもできなかったようであります。
っていうか、なんで私もマリアもそんなところに入店できてしまっているのだろうか。
「おお!驚いてるな。その反応好きだぜ。」
「はあ。まあ、どうも・・・。」
「失礼ですが、貴方もエルフなんですか?」
ガハハッと豪快に笑うおじさんに確認する。
「ん?俺はエルフじゃないぞ。この王都にあるダンジョンマスターのガーランドだ。私のことはガー様と呼べ。」
「へ?ダンジョンマスター?なんですかそれ?」
思わず聞き返してしまった。ダンジョンマスターってあまり聞いたことがない。
それに、ガー様って・・・。ガー様と呼べってそんな・・・。
自分で様つけて呼べって言っちゃうだなんて、なんというか・・・。
いろいろ突っ込みたいけど我慢をして、ダンジョンマスターってところだけ聞いてみる。
その仕事?は人間だとできないのだろうか。
「ダンジョンを管理運営する者のことよ。こうしてダンジョンマスターに会ったのは初めてだわ。人前には姿を現すことは滅多にないと聞いているのに。」
ダンジョンマスターの件についてはマリアが教えてくれました。
この世界では一般的な名称だとか。
ただ、誰も会ったことがないので実際にいるのか、それともただの空想なのかはわからないということだった。それでも、目の前にいるのだから実際にいるのだろうね。各ダンジョンにダンジョンマスターが。
「そういうことだ。嬢ちゃん詳しいな。」
「知識として知っているだけで、実際に会ったのはガー様が初めてよ。」
ああ。
マリア、本当にガー様って言っちゃうんだ。
「どころで、ガ、ガー様。どうしてここにいるんですか?」
「ん?俺がいたらまずいのか?いろいろあるんだよ、いろいろとな。俺だってお腹が空くの。美味しいものが食べたいの。でも、俺って人間には見えない存在だからさ。エルフがやってる食堂に来てるってわけ。わかった?俺も大変なのよ。」
「は、はあ。って!人間に見えないってどういうことですか?私もマリアもガー様のことははっきりと見えるのですが・・・。」
なにやらガー様も突っ込みどころの多い人だ。
それにしても、ガー様の姿が人間には見れないとはどういうことだろうか。
私もマリアも確かにガー様の姿を見れているのに。
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