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三章
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しおりを挟む「ちょっとプーちゃんのことが気になったので、一度プーちゃんのところに戻ります。」
プーちゃん、もう帰って来ているといいんだけど。
ミルトレアちゃんのことがあるから心配になってくる。
普段プーちゃんのこと、いろいろアレだなぁとは思っているけれども、やっぱり大事な仲間なのだ。
「ああ、私は今日はここに泊っていくよ。ミルトレアをよろしく頼む。」
どうやら皇太子殿下は皇后陛下のところに今日は残るらしい。
歩いて半日かかる距離だし、久々にお会いした皇后陛下と話したいことがいろいろあるのかな。
「マコトさん転移をお願いできますか?」
「構いませんよ。マリアさんはどうしますか?」
「私も行くわ。」
そういうことになった。
ちなみに皇太子殿下は後からマコトさんに念話で連絡をして迎えに来てもらうらしい。
皇太子殿下と皇后陛下に別れを告げ、私たちはクロとシロの力を借りて呪われた大地にある集落へと転移をした。
皇太子殿下の家を好きに使っていいとすでに皇太子殿下からは許可を得ているので、すぐに皇太子殿下の家に向かった。
もう日も暮れていることだし、ミルトレアちゃんとプーちゃんも帰って来ている頃だろうと家のドアを開けるが、中は真っ暗だった。
この世界には【電気】というものは存在しない。
その代わり【魔力】を使って【魔道具】により生活を豊かなものにしている。
通常であれば、暗くなれば魔道具を使って灯りを点ける。
しかし、家の中は暗いままだったということは、まだミルトレアちゃんたちは帰って来ていないということになる。
嫌な予感がする。
玄関の入り口にある灯りを灯す魔道具のスイッチを入れる。
すると家全体の灯りが点き、家の中が明るくなる。
マコトさんは、ざっと家の中を確認して首を横に振って見せた。
「どうやらまだ帰って来ていないみたいですね。」
「どこにいったんだろう・・・。」
家の中にはやはりミルトレアちゃんもプーちゃんの姿もありませんでした。
皇太子殿下と話していた内容が気になってくる。
ミルトレアちゃんの側にいると判断力が欠如してしまうということが気になる。
もしかすると、プーちゃんも同じような状況にあっているのだろうか。
「ねぇ。その猫様たちにプーちゃんの元に転移してもらうようにお願いすることはできないのかしら?」
腕に抱きかかえたマリアから声があがる。
「ん~。特定の場所にしか転移したことはないんですよねぇ。シロ、クロ、プーちゃんの元に転移することはできるかい?」
『試したことないの。』
『試してみる?』
どうやら特定の人のところに転移するということはやってみたことは無いようだ。
でも、それができれば今プーちゃんたちがどこにいるかがわかる。
「試してみてもらえますか?」
『わかったわ。』
『まずはプーちゃんの生態反応があるかを確認して・・・。』
シロがまあるい目を閉じてプーちゃんの生態反応を探す。
ややあって、シロが目を開けた。
ゴクリッと喉が鳴る。
プーちゃんがどこにいるかわかったのだろうか。
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