上 下
372 / 584
三章

3ー139

しおりを挟む
 

『我に愛されし者は死んでもまた生まれ変わるのだ。』

『妾たちに愛される存在は稀なのじゃ。しかし生まれ変わったら何不自由なく暮らせることは確実なのじゃ。』

プーちゃんとタマちゃんがわかりやすく説明をしてくれた。

どうも、この世界には輪廻転生があるそうだ。

しかも、プーちゃんたちに愛された存在だけが輪廻転生できるとか。

でも、輪廻転生したら何不自由なく暮らせるとかなにそれすごいお得な気がする。

何不自由なく自由に暮らせるだなんて、まさにレコンティーニ王国の猫様たちのようだ。

レコンティーニ王国では猫様を神聖視しているし、猫様に非常に優しい国になっている。

・・・ん?

そこまで考えて何かが引っ掛かったような気がした。

あれ?何が引っ掛かったんだろうか。

まあ、いっか。

今はとりあえず呪いを解くことを先決にしよう。

「それで、プーちゃん呪いは解けそう?」

『我にできないことなどないっ!』

プーちゃんに確認したところ即答された。

うん。さっきまで呪いを解こうか解くまいか悩んでいたのはいいのだろうか。

「で、ではっ!この呪われた大地は元の大地に戻るんですね!!」

期待した目でプーちゃんを見つめる皇太子殿下。

その目は先ほどとは違ってキラキラと希望に輝いている。

ミルトレアちゃんも心なしか嬉しそうな表情でプーちゃんを見つめている。

『うむ。タマちゃん後は頼む。』

「「「「えええっ!!!」」」」

プーちゃんの言葉に思わず驚きの声を上げる私とマコトさんと皇太子殿下とミルトレアちゃん。

だって、プーちゃんが呪いを解くと思ったのに、まさかのタマちゃんに丸投げするんだもん。

『なんじゃ?妾じゃまずいのかえ?』

タマちゃんがジトッとした目でこちらを見てくる。

「えっ、いや、違っ。ただ、プーちゃんが呪いをかけたのにタマちゃんに丸投げするからビックリしただけで・・・。」

タマちゃんの視線の迫力に負けて思わずどもる私。

『・・・?プーちゃんには呪いを解けぬのじゃ。だって、プーちゃんは呪いをかけるように妾たちにお願いしただけなのでな。』

タマちゃんがなんでそんなことを聞くのかと言ったような口調で教えてくれる。

まさかのプーちゃん自体は呪いなどかけていなかったという事実が判明いたしました。

これって、プーちゃんだけがここにいても仕方がなかったってことだよね。

プーちゃんも今まで忘れてたみたいだし。

タマちゃんたちの協力が必要不可欠だということがわかった。

もし、タマちゃんたちが孵化するのがもう少し遅かったらこの件って解決する見込みがなかったんだよね。

タマちゃんたちが全員孵化したタイミングで呪いの大地のことを知ったから解決できそうなだけで。もしかするとタマちゃんたちがいなかったら、呪いの大地のことを知って調査したとしてもどうにもならなくて解決の糸口すら見つからなかったかもしれない。

これって、偶然なのかな・・・?

それとも・・・。

ふいに私は誰かの手のひらの上で転がされているような気がして背筋にゾクッとした寒気を感じた。

 

しおりを挟む
感想 829

あなたにおすすめの小説

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

最強九尾は異世界を満喫する。

ラキレスト
ファンタジー
 光間天音は気づいたら真っ白な空間にいた。そして目の前には軽そうだけど非常に見た目のいい男の人がいた。  その男はアズフェールという世界を作った神様だった。神様から是非僕の使徒になって地上の管理者をしてくれとスカウトされた。  だけど、スカウトされたその理由は……。 「貴方の魂は僕と相性が最高にいいからです!!」 ……そんな相性とか占いかよ!!  結局なんだかんだ神の使徒になることを受け入れて、九尾として生きることになってしまった女性の話。 ※別名義でカクヨム様にも投稿しております。

王宮を追放された俺のテレパシーが世界を変える?いや、そんなことより酒でも飲んでダラダラしたいんですけど。

タヌオー
ファンタジー
俺はテレパシーの専門家、通信魔術師。王宮で地味な裏方として冷遇されてきた俺は、ある日突然クビになった。俺にできるのは通信魔術だけ。攻撃魔術も格闘も何もできない。途方に暮れていた俺が出会ったのは、頭のネジがぶっ飛んだ魔導具職人の女。その時は知らなかったんだ。まさか俺の通信魔術が世界を変えるレベルのチート能力だったなんて。でも俺は超絶ブラックな労働環境ですっかり運動不足だし、生来の出不精かつ臆病者なので、冒険とか戦闘とか戦争とか、絶対に嫌なんだ。俺は何度もそう言ってるのに、新しく集まった仲間たちはいつも俺を危険なほうへ危険なほうへと連れて行こうとする。頼む。誰か助けてくれ。帰って酒飲んでのんびり寝たいんだ俺は。嫌だ嫌だって言ってんのに仲間たちにズルズル引っ張り回されて世界を変えていくこの俺の腰の引けた勇姿、とくとご覧あれ!

転生したけど平民でした!もふもふ達と楽しく暮らす予定です。

まゆら
ファンタジー
回収が出来ていないフラグがある中、一応完結しているというツッコミどころ満載な初めて書いたファンタジー小説です。 温かい気持ちでお読み頂けたら幸い至極であります。 異世界に転生したのはいいけど悪役令嬢とかヒロインとかになれなかった私。平民でチートもないらしい‥どうやったら楽しく異世界で暮らせますか? 魔力があるかはわかりませんが何故か神様から守護獣が遣わされたようです。 平民なんですがもしかして私って聖女候補? 脳筋美女と愛猫が繰り広げる行きあたりばったりファンタジー!なのか? 常に何処かで大食いバトルが開催中! 登場人物ほぼ甘党! ファンタジー要素薄め!?かもしれない? 母ミレディアが実は隣国出身の聖女だとわかったので、私も聖女にならないか?とお誘いがくるとか、こないとか‥ ◇◇◇◇ 現在、ジュビア王国とアーライ神国のお話を見やすくなるよう改稿しております。 しばらくは、桜庵のお話が中心となりますが影の薄いヒロインを忘れないで下さい! 転生もふもふのスピンオフ! アーライ神国のお話は、国外に追放された聖女は隣国で… 母ミレディアの娘時代のお話は、婚約破棄され国外追放になった姫は最強冒険者になり転生者の嫁になり溺愛される こちらもよろしくお願いします。

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~

土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。 しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。 そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。 両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。 女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。

転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの? 人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。

異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー

紫電のチュウニー
ファンタジー
 第四部第一章 新大陸開始中。 開始中(初投稿作品)  転生前も、転生後も 俺は不幸だった。  生まれる前は弱視。  生まれ変わり後は盲目。  そんな人生をメルザは救ってくれた。  あいつのためならば 俺はどんなことでもしよう。  あいつの傍にずっといて、この生涯を捧げたい。  苦楽を共にする多くの仲間たち。自分たちだけの領域。  オリジナルの世界観で描く 感動ストーリーをお届けします。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

処理中です...