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三章
3ー139
しおりを挟む『我に愛されし者は死んでもまた生まれ変わるのだ。』
『妾たちに愛される存在は稀なのじゃ。しかし生まれ変わったら何不自由なく暮らせることは確実なのじゃ。』
プーちゃんとタマちゃんがわかりやすく説明をしてくれた。
どうも、この世界には輪廻転生があるそうだ。
しかも、プーちゃんたちに愛された存在だけが輪廻転生できるとか。
でも、輪廻転生したら何不自由なく暮らせるとかなにそれすごいお得な気がする。
何不自由なく自由に暮らせるだなんて、まさにレコンティーニ王国の猫様たちのようだ。
レコンティーニ王国では猫様を神聖視しているし、猫様に非常に優しい国になっている。
・・・ん?
そこまで考えて何かが引っ掛かったような気がした。
あれ?何が引っ掛かったんだろうか。
まあ、いっか。
今はとりあえず呪いを解くことを先決にしよう。
「それで、プーちゃん呪いは解けそう?」
『我にできないことなどないっ!』
プーちゃんに確認したところ即答された。
うん。さっきまで呪いを解こうか解くまいか悩んでいたのはいいのだろうか。
「で、ではっ!この呪われた大地は元の大地に戻るんですね!!」
期待した目でプーちゃんを見つめる皇太子殿下。
その目は先ほどとは違ってキラキラと希望に輝いている。
ミルトレアちゃんも心なしか嬉しそうな表情でプーちゃんを見つめている。
『うむ。タマちゃん後は頼む。』
「「「「えええっ!!!」」」」
プーちゃんの言葉に思わず驚きの声を上げる私とマコトさんと皇太子殿下とミルトレアちゃん。
だって、プーちゃんが呪いを解くと思ったのに、まさかのタマちゃんに丸投げするんだもん。
『なんじゃ?妾じゃまずいのかえ?』
タマちゃんがジトッとした目でこちらを見てくる。
「えっ、いや、違っ。ただ、プーちゃんが呪いをかけたのにタマちゃんに丸投げするからビックリしただけで・・・。」
タマちゃんの視線の迫力に負けて思わずどもる私。
『・・・?プーちゃんには呪いを解けぬのじゃ。だって、プーちゃんは呪いをかけるように妾たちにお願いしただけなのでな。』
タマちゃんがなんでそんなことを聞くのかと言ったような口調で教えてくれる。
まさかのプーちゃん自体は呪いなどかけていなかったという事実が判明いたしました。
これって、プーちゃんだけがここにいても仕方がなかったってことだよね。
プーちゃんも今まで忘れてたみたいだし。
タマちゃんたちの協力が必要不可欠だということがわかった。
もし、タマちゃんたちが孵化するのがもう少し遅かったらこの件って解決する見込みがなかったんだよね。
タマちゃんたちが全員孵化したタイミングで呪いの大地のことを知ったから解決できそうなだけで。もしかするとタマちゃんたちがいなかったら、呪いの大地のことを知って調査したとしてもどうにもならなくて解決の糸口すら見つからなかったかもしれない。
これって、偶然なのかな・・・?
それとも・・・。
ふいに私は誰かの手のひらの上で転がされているような気がして背筋にゾクッとした寒気を感じた。
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