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三章
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しおりを挟む「お城・・・お城って・・・。どーするんですかっ!そんなとこにいきなり来ちゃって!敵の本陣じゃないですかっ!っていうか、忍び込んでしまった時点で見つかったら即アウトでしょ・・・。即牢屋でしょっ!!」
お城に忍び込んで見つかったなら捕まるのが普通だ。
それなのに、まさかのお城に転移してしまうだなんて。
「安心してください。敵ではありませんよ。」
マコトさんはにこにこしながら、ここは敵陣ではないと告げてくる。
どういうことだろう。
「それに、ここには誰も来ません。決まった時間に掃除をする侍女が来るだけです。安心して大丈夫ですよ。」
なぜマコトさんは、この部屋に誰も来ないということを知っているのだろうか。
にこにこ笑っているマコトさんからは嘘をついている気配も、私を安心させようとはったりを言っている気配も感じない。
「どういうことですか?」
「………ここは………の部屋だから。」
「え?」
感じんなところが良く聞き取れなかった。思わず聞き返すがマコトさんは「なんでもありません。とにかく安全なんですよ。」とだけ言った。
なんだか、今とっても大事なことをマコトさんが言ったような気がするんだけど。
「ああ、それと安心してください。今の皇帝はレコンティーニ王国とは懇意にしていますから。代替わりしないかぎりは私たちが見つかっても大丈夫ですよ。」
「えっ!?じゃあなんでマリアはスパイなんか………。」
マコトさんが言うには、今の皇帝は温厚で他国との関係は良好なようだ。
問題視されているのは、皇太子だとか。
「皇太子殿下が、ですね………。」
さっきまでにこやかだったマコトさんの表情がとたんにくもりだす。
皇太子と皇帝が、険悪な関係なのだろうか。
「極度のマザコンなんですよ。」
「はあっ!?」
ま、マザコン!?
まさかのマザコン!?
ってか、なんでそれで代替わりが危ぶまれてるのだろうか。
まさか、皇后が皇帝と敵対してる、とか?
いやいや。まさか。そんなんで、何十年も添い遂げられるはずがない。
もっと皇帝が若い頃になにかしらの動きがあるだろう。ふつう。
「マザコンなんです。手がつけられないほどの。」
「は、はあ………。」
60を過ぎたマザコンだなんて、見たくないんだけど。
「でも、なんでそれがこの国のお家騒動に繋がるんですか?」
「………皇后陛下の………。」
「誰だっ!?」
マコトさんが話始めたら、急に部屋のドアが勢いよく開いた。
そうして、剣を構えた年老いた男の人が部屋に入ってきた。
ちょっと!マコトさん、この部屋には誰も来ないんじゃなかったの!?
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