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三章
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しおりを挟むひとまずマーニャたちのことをタマちゃんにお願いして、私達は帝国内に転移することにした。
ちなみにタマちゃんにマーニャたちのことをお願いしたら、口元をによによと動かしながらタマちゃんは「よいのじゃ。」となんでもないかのように言った。
嬉しいのにも関わらず、素直にその表情を顔を出さずに尊大に振る舞うタマちゃんがちょっとだけ可愛かったけど、きっとマーニャたちには嬉しいという気持ちが伝わっていないんだろうなぁ。
マーニャたちは少しだけ不安そうにタマちゃんを見た後、私を見つめてきた。
「大丈夫だから。」
と笑顔で告げればしぶしぶとタマちゃんをチラッと見つめて『お願いなの~。』とお願いしていた。
その姿を見たタマちゃんの頬が嬉しさで赤く染まったが、すぐにマーニャたちからプイッと顔を逸らしてしまうものだから、マーニャたちには全く伝わっていない。
素直になれば、マーニャたちと仲良くなれるのになぁと、保母さんのような気持ちでタマちゃんを見つめてしまったのは仕方ない。
「じゃあ、行こうか。クロ、シロお願いね。門の内側で人がいないところに転移して欲しいの。」
『了解。』
『わかった。』
シロとクロが頷くと、私達の周りを淡い光が包み込んだ。
少し眩暈を感じて目を閉じると、一瞬で肌に纏う空気が変わった。
今までは外の清涼な空気だったのに、今はどこかの家の中にいるような少しだけ熱の篭った空気を感じる。
恐る恐る目を開けてみると・・・。
「え?ここはどこ?」
そこはふかふかな高級そうな絨毯が敷かれた一室のようだった。
辺りを見回せばシンプルだけれども、高級感のある家具が設置されている。
ベッドもキングサイズのようだ。
これまたふかふかで高級そうなベッドがドデンッと部屋の中央付近に置かれている。
どこかのベッドルームだろうか。
「周りに人はいませんね。よくやりました。クロ、シロ。」
マコトさんは辺りに人がいないことを確認して、クロとシロを褒める。
褒められたクロとシロは嬉しそうにマコトさんの手に頬を摺り寄せた。
マコトさんはそれに答えるように、クロとシロの頭を優しくなでると、クロもシロも嬉しそうに目を細めてもっと撫でてというようにマコトさんに手に頭を摺り寄せる。
それにしても、ここはどこなんだろうか。
部屋にある大きな窓に近づいて外を見る。
どうやら1階ではないようで、空が見えた。
そうして、街の姿が一望できる。かなり見晴らしのいいところのようだ。
丁度品も高級そうだし、部屋の作りも高級そうであり、場所も一等地のようだ。
さらに、この建物を囲うように塀が建てられており、塀の外周には川が流れているようだ。
「なんだか、どこかのお城みたいなつくりですね。」
「お城ですよ?」
私が感心したように呟けば、すぐにマコトさんが教えてくれた。
どうやら、私の予想は合っていたようだ。
・・・って!!お城!?
いきなりなんてところに転移してくれちゃってるのかな!クロにシロってば。
こういう時はまず街とかで情報収集じゃないの!?
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