上 下
323 / 584
三章

3ー90

しおりを挟む
 

そうだった。

乳液の効果でプーちゃん滑ってて傷一つつけられないんだった・・・。

でも、プーちゃんを傷つけるのは抵抗があるなぁ。

なんとかならないかなぁ。

プーちゃんも目をうるうるとさせてこっちを見ているし。

きっと、素材のためとはいえ、傷をつけられるのは嫌だよね。いくら死なないとはいえ、痛みはあるだろうし。

こっちも抵抗あるしね。

『マユ・・・。その骨なら我が魔法をつかえれば簡単に取れるぞ?』

「はい?」

「え?そうなんですかっ?」

プーちゃんが床に転がりながら衝撃の発言をした。

まさかの、プーちゃんの魔法で火蜥蜴の火炎袋が入手できるとか。

マコトさんも知らなかったようで、驚きで目を丸くしている。

『うむ。その骨ならば火を吐いていると次第に脆くなって火が出にくくなるゆえ、定期的に魔法で取り替えてるのだ。』

「と、取り替えるってプーちゃん・・・。骨、なんでしょ?痛くないの?」

プーちゃんは取り替えると軽々しく言うが、マコトさんの説明だとそれは骨だという。その骨を取り替えるのってそんなに簡単なのだろうか。

そう思ってプーちゃんに問いかければ、プーちゃんはキョトンとした顔でこちらを見ている。

『ふむ。まあ、脱皮のようなものだ。別に苦痛ではない。』

「はあ。そうなんだ。代わりの骨ってすぐに生えてくるの?」

『うむ。すぐに生えてこないと、我の攻撃手段がなくなるからな。すぐに生えるぞ。』

「そ、そうなんだ。竜ってすごいね・・・。」

勇者ハルジオンさんがプーちゃんの喉を切り裂いて火蜥蜴の火炎袋を手に入れていたっていうけど、実はそんな面倒なことをすることなんて全然これっぽちもまったく無かったんだ。

でも、プーちゃんにいきなり素材をちょうだいとお願いしても対して親しくもなければきっとくれなかっただろうから力ずくになるのはしょうがなかったのかな?

でも、そんなに簡単に素材が入手できるのであれば、早くプーちゃんの魔力をなんとかしなくっちゃ。この件はマコトさんが作成した魔道具のせいってこともあるし、マコトさんにも詳しく話を聞く必要がありそうだ。

「マコトさん。プーちゃんの魔力・・・。」

「はっ!マユさん申し訳ありません。私はそろそろ仕事があるので失礼いたしますね。マユさんはどうぞ、この家で自由にしていてください。ただ、私の作業所には入らないようにお願いしますね。」

「あ、マコトさん、待ってくださいっ!!」

プーちゃんの魔力の復活方法をマコトさんに尋ねようと思ったら、急にマコトさんが立ち上がった。

そうして、早口で捲くし立てるように告げると足早に私達を置いて部屋を出て行ってしまった。

『・・・逃げたな。』

プーちゃんがボソリと呟いた。

「ああ、やっぱり逃げたんだ・・・。」

作業場には入らないようにってことは、きっとマコトさんは作業場に篭るのだろう。

即ち、マコトさんに話しかけるなってことですよね。はい。

どうやらプーちゃんの魔力については、マコトさんはあてにならないようです。

せめて、魔力を封じ込める方法を教えてもらえればヒントになったかもしれないのに。

プーちゃんの魔力も元に戻したいけれども、トンヌラさんの声も戻さないとってことで、化粧水と乳液を大量に作ることにしました。

錬金釜はマコトさんの家にはなかったので、新たに高性能な錬金釜を5つほど大人買いしてきました。

マコトさんには家の中で自由にしていていいって言われているので、部屋の一室の錬金部屋にさせていただくことにし、その部屋に錬金釜を5個設置することにした。

「あ・・・。5個は入らなかったか・・・。」

いざ設置してみたところ錬金釜は3つしか部屋に入りませんでした。

まあ、詰め込めば5個入るんだけど、さすがに5個設置してしまうと歩くスペースがなくなってしまうので断念せざるを得なかった。

購入は計画的にしないとダメだね。

さて、化粧水と乳液どんどん作るぞー。

 

 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
台風に備えてなのだろうか、スーパーから水が消えた(*´・ω・)
しおりを挟む
感想 829

あなたにおすすめの小説

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

最強九尾は異世界を満喫する。

ラキレスト
ファンタジー
 光間天音は気づいたら真っ白な空間にいた。そして目の前には軽そうだけど非常に見た目のいい男の人がいた。  その男はアズフェールという世界を作った神様だった。神様から是非僕の使徒になって地上の管理者をしてくれとスカウトされた。  だけど、スカウトされたその理由は……。 「貴方の魂は僕と相性が最高にいいからです!!」 ……そんな相性とか占いかよ!!  結局なんだかんだ神の使徒になることを受け入れて、九尾として生きることになってしまった女性の話。 ※別名義でカクヨム様にも投稿しております。

精霊さんと一緒にスローライフ ~異世界でも現代知識とチートな精霊さんがいれば安心です~

ファンタジー
かわいい精霊さんと送る、スローライフ。 異世界に送り込まれたおっさんは、精霊さんと手を取り、スローライフをおくる。 夢は優しい国づくり。 『くに、つくりますか?』 『あめのぬぼこ、ぐるぐる』 『みぎまわりか、ひだりまわりか。それがもんだいなの』 いや、それはもう過ぎてますから。

王宮を追放された俺のテレパシーが世界を変える?いや、そんなことより酒でも飲んでダラダラしたいんですけど。

タヌオー
ファンタジー
俺はテレパシーの専門家、通信魔術師。王宮で地味な裏方として冷遇されてきた俺は、ある日突然クビになった。俺にできるのは通信魔術だけ。攻撃魔術も格闘も何もできない。途方に暮れていた俺が出会ったのは、頭のネジがぶっ飛んだ魔導具職人の女。その時は知らなかったんだ。まさか俺の通信魔術が世界を変えるレベルのチート能力だったなんて。でも俺は超絶ブラックな労働環境ですっかり運動不足だし、生来の出不精かつ臆病者なので、冒険とか戦闘とか戦争とか、絶対に嫌なんだ。俺は何度もそう言ってるのに、新しく集まった仲間たちはいつも俺を危険なほうへ危険なほうへと連れて行こうとする。頼む。誰か助けてくれ。帰って酒飲んでのんびり寝たいんだ俺は。嫌だ嫌だって言ってんのに仲間たちにズルズル引っ張り回されて世界を変えていくこの俺の腰の引けた勇姿、とくとご覧あれ!

転生したけど平民でした!もふもふ達と楽しく暮らす予定です。

まゆら
ファンタジー
回収が出来ていないフラグがある中、一応完結しているというツッコミどころ満載な初めて書いたファンタジー小説です。 温かい気持ちでお読み頂けたら幸い至極であります。 異世界に転生したのはいいけど悪役令嬢とかヒロインとかになれなかった私。平民でチートもないらしい‥どうやったら楽しく異世界で暮らせますか? 魔力があるかはわかりませんが何故か神様から守護獣が遣わされたようです。 平民なんですがもしかして私って聖女候補? 脳筋美女と愛猫が繰り広げる行きあたりばったりファンタジー!なのか? 常に何処かで大食いバトルが開催中! 登場人物ほぼ甘党! ファンタジー要素薄め!?かもしれない? 母ミレディアが実は隣国出身の聖女だとわかったので、私も聖女にならないか?とお誘いがくるとか、こないとか‥ ◇◇◇◇ 現在、ジュビア王国とアーライ神国のお話を見やすくなるよう改稿しております。 しばらくは、桜庵のお話が中心となりますが影の薄いヒロインを忘れないで下さい! 転生もふもふのスピンオフ! アーライ神国のお話は、国外に追放された聖女は隣国で… 母ミレディアの娘時代のお話は、婚約破棄され国外追放になった姫は最強冒険者になり転生者の嫁になり溺愛される こちらもよろしくお願いします。

転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの? 人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~

土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。 しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。 そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。 両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。 女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。

異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー

紫電のチュウニー
ファンタジー
 第四部第一章 新大陸開始中。 開始中(初投稿作品)  転生前も、転生後も 俺は不幸だった。  生まれる前は弱視。  生まれ変わり後は盲目。  そんな人生をメルザは救ってくれた。  あいつのためならば 俺はどんなことでもしよう。  あいつの傍にずっといて、この生涯を捧げたい。  苦楽を共にする多くの仲間たち。自分たちだけの領域。  オリジナルの世界観で描く 感動ストーリーをお届けします。

処理中です...