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三章

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『あの玉はキラキラ輝いていてとっても綺麗なの。でも、プーちゃんの命なら返すの。』

うむ?

マーニャが素直に返すと言っている。

てっきり、いいこと聞いたとばかりに返さないのかと思ったけれども。

というか、マーニャってば、寝たふりをしてずっと耳をそばだてていたんだね。

『か、返してくれるなっ!嫌なのだっ!マーニャ様に持っていてほしいのだ。返すなんて言わないでほしいのだ・・・。』

おっと。プーちゃんがマーニャからの宝玉返すよ発言でおおいに慌てている。

それを困った顔で見つめるマーニャが可愛い。

どうしたらいいのって、首を傾げてまんまるな目でこちらを見つめないで欲しい。

可愛すぎて抱きしめたくなるから。

『でも・・・そんな重いものいらないの。』

マーニャがヘニョッと耳をたらしている。ついでに、お髭まで下を向いてしまった。

どうやら、プーちゃんの気持ちが重くて負担になっているらしい。

『お願いだからいらないって言わないでぇ!』

プーちゃんも涙目だし。

ここは・・・。

「じゃあ、私が預かっておこうか?」

『ダメなのっ!』

『それは嫌なのだっ!』

「ぐっ!!こいつら・・・。」

マーニャもプーちゃんも宝玉をどっちが持つかで揉めているので折衷案として、私が持っておくと発言してみたら、マーニャからもプーちゃんからも反対された。解せぬ。

なくさないようにちゃんとに気をつけるのに。

『マユは迂闊だからそんな大切なもの預けたら危ないの!』

『マーニャ様ぁ・・・。』

マーニャにまで迂闊って言われる私っていったい・・・。

しかも、プーちゃんは宝玉を大切なものってマーニャに言われて嬉しくてうるうるした目でマーニャを見つめているし。

あー。もうっ!

「じゃあ、マーニャ持っててあげなよ。」

『えっ!?嫌なの重いの、気持ち悪いのっ!』

『ま、マーニャ様・・・。』

大切なものって言っておきながら気持ち悪いって・・・。

マーニャ、プーちゃんを上げて落とすのやめてくれないかな。

今度はプーちゃん悲しくて泣きそうだよ。目がうるるっとしている。今にも涙が零れ落ちそうだ。

っていうか、プーちゃんの尻尾がビタンッビタンッと力なく床を打ち付けている。

これは気持ち悪いと言われて相当ショックを受けているぞ・・・。

『大事なものは他人任せにしないで自分で持ってるの!!』

『は、はいっ!』

滅多にない、マーニャからの大声にプーちゃんはびっくりしたように目を丸くして思わず頷いてしまっていた。

プーちゃん。そこで頷いたらマーニャの思うツボだよ。

宝玉返却されちゃうって。

マーニャはごそごそと袋の中を漁ると、プーちゃんの宝玉を取り出した。

『綺麗なの~。でも、返すの。』

『ま、マーニャ様ぁ~。』

マーニャがプーちゃんに宝玉を手渡そうとする。

プーちゃんも頷いてしまった手前、それを拒否することができない。

うるうるした目でマーニャを見つめながら、前足を差し出し宝玉を受け取ろうとする。

しかし、

 

ツルッ・・・

 

宝玉はマーニャの手から滑り落ちてしまい、転がってしまった。

そして、その宝玉は未だヒビが入っただけで孵化しない金色の卵の元まで転がっていった。

 

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