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三章

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『火蜥蜴のぉ~火炎袋ぉぉぉ~~~っ!?』

およ。
ベアトリクスさんが叫びだした。
なにか、火蜥蜴の火炎袋に問題があるのだろうか。

「えっと・・・。入手したいんですが、難しいですか?」

戸惑いながらも、ベアトリクスさんに確認する。
ベアトリクスさんの反応からすると、火蜥蜴の火炎袋を知らない訳ではないようだ。
期待に胸を膨らませて、ベアトリクスさんの返答を待つ。

『難しいどころのぉ~話じゃありませんよぉ~!!国宝ですぅ~!!国宝なんですよぉ~!!』

「はあ・・・?」

ベアトリクスさんが叫んだ内容が頭に入ってこなくて思わずマヌケな声をあげてしまう。

『聞こえてますぅ~!?だからぁ~、国宝なんですぅ~!!火蜥蜴のぉ~火炎袋はぁ~国宝なんですよぉ~!!一般人がぁ~入手するなんてぇ~無理な話ですぅ~!!』

「へっ!?国宝っ!?」

いやいやいや。火蜥蜴の火炎袋が国宝だなんて、あり得ないでしょ。
だって、ご飯を炊く魔道具と、料理を暖める魔道具には、火蜥蜴の火炎袋が使用されているんだよ。
そんな便利道具に国宝が使われるはずがないって。
というより、魔道具を作ったマコトさんは国宝をどうやって手に入れたというのだろうか。

『そうですぅ~!火蜥蜴ってぇ~いうのはぁ~竜のぉ~ことなんですよぉ~。火を吐くぅ~竜のことなんですぅ~!火炎袋はぁ~1匹の竜からぁ~1つしかぁ~採れないんですぅ~!!竜なんてぇ~倒せる人がぁ~なかなかいないのでぇ~国宝にぃ~なっているんですよぉ~!!』

「ふぁっ!!」

一匹の竜から一つしか採れないですとっ!!
それって、それって・・・。

『火炎袋はぁ~竜のぉ~大切なぁ~臓器なんですよぉ~。それを~取るためにはぁ~竜の喉を~切り裂かなければぁ~いけないんですよぉ~。』

「喉を切り裂くって!それって竜が死んじゃうじゃないですかっ!!」

喉を切り裂かれて死なない生物はいないだろう。それが例え竜であったとしても。
やっぱりプーちゃんから火炎袋をもらうのは無理そうだ。

『死なないわよぉ~。だってぇ~竜はぁ~心臓を~潰されたってぇ~死なないものぉ~。竜を~殺すにはぁ~その竜がぁ~大切にしているぅ~宝玉を~壊すしかないのよぉ~。でもぉ~宝玉はぁ~竜がぁ~なによりもぉ~大切にしているからぁ~お目にかかった人はぁ~いないわよぉ~。』

「はあ。よかった、死なないんだね。ちょっと安心しました。でも、喉を切り裂くなんて無理ですね。」

よかった。よかった。
そうか竜は宝玉が壊れない限りはしなないんだね。プーちゃんは不死身なんだね。
・・・ん?
竜の宝玉・・・?

「竜の宝玉ぅぅうううううううう~~~~!!!!」

確かマーニャが持ってなかったっけ!?
プーちゃんの宝玉を。
んな命より大事なもんをマーニャに預けちゃってどうするのよぉ!プーちゃんっ!!

『あらぁ~?竜のぉ~宝玉はぁ~知ってたのかしらぁ~?』

のんびりとしたベアトリクスさんの声が聞こえてくる。
うん。知っているよ。
マーニャが持っていたもの。
転がして遊んでいたもの。

「ちょっとプーちゃんっ!!こっち来なさいぃ~~~!!!」
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