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三章
3ー32
しおりを挟む「マリアは、女王様が連れていったのか。なんでだろう。きっと何か、女王様にも意図があったんだろうけど・・・。」
考えてみるが、よくわからない。マリアが持っている固有スキルが関係しているのだろうか。
それに、なぜ念話は使えないのだろうか。
疑問はいくつもいくつも湧いて出てくる。
それに、私はマリアを追って王都に行った方がいいのだろうか。
それとも、マリアが帰ってくるまで待っていた方がいいのだろうか。
女王様は私がトマトを取りに行っている間にマリアを連れていった。しかも、そのトマトは女王様は不要だという。
ということは、私のいない間にマリアを内緒で連れていきたかったということだ。
でも、女王様はユキさんにはマリアを連れていくと告げている。
つまり、私がマリアを探すかどうかを見ている?
私がマリアに頼りきっているのは自分でもわかっている。それを見越してマリアをこっそり連れていった?
でも、それならば、別にこっそり連れていく必要もないだろう。
と、いうことは私がマリアを探し出せるかどうかを試しているのだろうか。
「私、マリアを探しにいきます。」
ユキさんにそう告げると、ユキさんは優しく微笑んでくれた。
「そう。マリアを探してきてね。ああ、でも出発は一週間後にしてちょうだい。そうパールバティーに言われているの。」
「え?今から行こうかと思っていたんですが・・・。」
「ふふふ。パールバティーもやりたいことがあるようなのよ。一週間後から探し始めてちょうだいね。」
にっこり笑って、そう言われてしまえば反論なんかできなくて。
それに、女王様にもなにか考えがあるのだろう。
ん?もしかして、試練を用意していないよね?いろいろ準備をしていった方がいいかもしれない。
「わかりました。一週間後からマリアを探しにいきます。」
「よろしくね。他になにか聞きたいことはある?」
「マリアは王都にいるんですよね?」
「ふふふ。それはわからないわ。」
どうやら詳細な場所は教えてくれないらしい。ユキさんは微笑むだけだった。
仕方なく私は家に帰る。
マリアを連れ戻すための準備をしなければならない。
まずは・・・。
くるりと室内を見回すと、錬金釜が目に入った。
「女王様にそう言えば、猫化する化粧水を渡してあったなぁ。偶然でもいいから猫化を解除する化粧水でも作れないかなぁ。」
化粧水の効果は女神様(?)の気まぐれだから、どんな効果になるかわからないけれど。
そう思って、さっそく化粧水作りを始める。薬草と山の湧き水はまだある。というか、今ある分でちょうど一回分だ。
それを、錬金釜に入れ、「おいしくなぁれ。」と念じる。
あとは、3日待つだけだ。
・・・うん。お金も手に入ったし、もっと性能のいい錬金釜買ってもいいかなぁ。
ベアトリクスさんにも化粧水を売ってほしいと言われているし。
そうと決まれば、これから買い物に行こう。
マリアを探しに行くには何が必要になるかな。
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