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三章

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プーちゃんとピーちゃんと一緒に家に帰り、トマトを収穫する。
トマトの収穫はプーちゃんとピーちゃんが率先して手伝ってくれた。その後、またプーちゃんとピーちゃんはトマトを食べていたが。

「女王様へ持っていくトマト収穫できたし、もう一度村長さんの家に行かなきゃね。」

プーちゃんとピーちゃんの方を向いてにっこり微笑むと、プーちゃんとピーちゃんの表情がカチンッと固まった。
・・・あれ?

『・・・我は遠慮するのだっ!!』

『・・・俺も用事があるからまたなっ!!』

「へっ?」

そんな叫び声とともに、プーちゃんもピーちゃんも空に消えていった。
どうやら女王様に会うのが嫌なようだ。
逃げ足の早い竜と精霊である。

「もうっ!」

仕方ない。
トマト20個はちょっと重いけど、一人で運ぶしかないか。
って、プーちゃんとピーちゃんがこの家に一緒に帰ってきたのは、いち早く女王様から離れたかったからか。
私は真っ赤に熟したトマトをカゴに入れて両手に抱えて持つ。

「重っ!」

一つ一つのトマトがずっしりと果肉が詰まっているため、20個も持つとかなり重い。
プーちゃんがいればなぁ。少し持ってもらったのに。
仕方なく一人でトマトを抱えて村長さんの家に向かった。
もちろん、マーニャたちも女王様がいると知っては一緒にくる気配もなかった。





「女王様。お待たせいたしました。」

私はトマトをもって、なんとか村長さんの家にたどり着いた。
重かったが、無事に持ってくることができた。
村長さんの家の前で中に向かって声をかけると、「はーい。」というユキさんの声が聞こえてきた。
って、やけに静かだなぁ。
優花さんの声も聞こえないし、裕太の声も聞こえない。
それに、家の外にいるからだろうか、女王様の気配も感じない。

「マユさん。あのね、パールバディーは帰っちゃったわ。ユウカさんとユウタさんを連れてってしまったわ。」

「えっ?帰った?えっ?トマトは?」

ユキさんが困ったように笑いながら女王様が帰ってしまったと教えてくれた。
しかも、裕太と優花さんを連れていったとか。大丈夫なのだろうか。
女王様の元に裕太がいることが不安でしかない。裕太のスキル「貧乏神」が女王様に影響しなければいいのだが・・・。

「マユさん。トマトはマユさんが食べるようにと。」

「ええっ!!」

もしかして、女王様がトマトがほしいと言っていたのは私を村長さんの家から出すため?
その間に裕太と優花さんを連れていきたかったから?
別に私、裕太と優花さんを連れていくことに反対はしないんだけどなぁ。

「パールバティーはおちゃめさんだから。ああ、安心してちょうだい。あの二人の借金の返済については女王様が責任を持って二人に仕事をさせて返させるといっていたわよ。」

「へ?ああ、まあ、借金の件は別にいいんですが・・・。」

「そうなの?」

別にね。
もともとトマトは売る気もなかったし、プーちゃんとピーちゃんが全部食べちゃうからお金になるとは思ってもみなかったしね。
資金については化粧水がいい値段になるからそれで間に合うし。

しかし、女王様は裕太と優花さんをどうするつもりなのだろうか。
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