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三章

3ー24

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しかし、ユキさんの王都で独身の資産家の知り合いって誰だろう。
ユキさんは50年以上この世界で生きてきた。きっと独身の資産家の知り合いもいるんだろう。
って、まさかマコトさんだったりして。まさか、そんなねぇ。
ん?あれ?でも、あり得る?
だってマコトさんのところに行ったとき妻帯しているようには見えなかったし。あれだけ魔道具にのめり込んで作成してるんだもの、結構な額を溜め込んでいてもおかしくないよね?
でも、年齢がなぁ。ってそれ以上になぜ、ユキさんは自分の兄を優花さんに勧めるのだろうか。百害あって一利なしだと思うんだけれども。
じゃあ、マコトさんじゃない誰かってこと?
誰だろうか。

「うふふ。今ね、念話で伝えたらすぐに迎えにきてくださるそうよ。楽しみね。」

誰に連絡したのだろうか。マコトさんだったら、魔道具作成中なら魔道具の作成が完了するまで出てこないだろうし。
今は、プーちゃんの鱗でやる気アップしてるから、いつも以上に工房から出てこないと思うし。
まあ、王都からだと馬車で3日の距離だっていうから早くとも3日後に迎えにくるのかな。

「ありがとうございますぅ。」

おおっと。優花さんってば、嬉しそうだ。声が急に可愛らしくなった。
変わり身早いなぁ。
と思わず感心してしまった。

「うふふ。どういたしまして。」

ユキさんもにこやかに笑っている。
なんかちょっと含み笑いみたいで怖いと思うのは私だけでしょうか。
気のせいでしょうか。

『こえ~。』

『ユキ殿怒っておるな。』

ありゃりゃ。
気のせいではなかったみたい。
髪の中のピーちゃんも、裕太を巻き付けているプーちゃんも同意見のようだ。

いったいどんな人が来るのだろうか。
ドキドキするなぁ。

「うふふふふ。来たわよーユキ!」

「早かったわね。パールバティー。」

「「えっ?」」

聞こえてきた声と姿に私と優花さんの驚いた声が重なる。
だってまさかの女性が来たのだ。
しかも、王都から来ると言っておきながら、村長さんの家の中から出てきたんだけど。
そしてそして、それ以上に驚いたのは、その女性が最近見たことがある人だったから。
案の定パールバティ様が現れてからプーちゃんとピーちゃんがカチンと固まってしまった。
パールバティ様の威圧感半端ないもんなぁ。

「あら、マユ。久し振りね。あの化粧水楽しませてもらっているわ。トンヌラってば、見ていてとても面白いのよぉ。うふふ。」

誰もがひれ伏したくなるほどの威圧感。猫化する化粧水を嬉々としてもらってくれたこの国の女王様が目の前にいた。
女王様の名前ってパールバティー様って言うんだ。知らなかったなぁ。
なぁんて現実逃避してみる。
って独身だったの!?
まあ、確かに資産家っていったら資産家だけど、まさかこの国の女王様を紹介するなんてユキさん何を考えてるの!!
同性だし!!
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