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二章

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「マユのばかっーーー!!」

「マユ、死にゃにゃいでぇーーー!!」

「マユ、なにやってんのぉーーー!!!」

「うわっ!!」

「おっと!!」

「えっ?えっ?」

お風呂の扉が開いたかと思うと小さい三つの影が飛び込んできて私に抱きついてきた。
三匹は、扉の前で心配そうに声をかけてきたザックさんを押し退けて飛び込んできたので、ザックさんはお風呂の入口に倒れこんでいる。
そして、お風呂の入口からこっちを伺っているプーちゃんと目があってしまった。

「あ、あ、あ、あ!!!きゃーーーーーっ!!!」

み、見られたっ!!
マーニャたちは女の子だからいいとして、ザックさんとプーちゃんに見られたことに異様に焦りを覚える。
そして思わず、風呂桶にお風呂和のお湯をくんで、盛大にぶちまけてしまっていた。

「ぐあっ!!」

「うっ!」

ザックさんは、マーニャたちに押し退けられてうつ伏せになっていたから、裸を見られていなかったみたいだが、プーちゃんはカクジツニ見た。
がっつり目があったもの。
まあ、プーちゃんは竜なんだけれども、人間じゃないけれども、やはり今は人間っぽい見た目をしているし。やはり、羞恥心がある。
盛大にぶちまけたお湯は見事にプーちゃんに直撃し、プーちゃんの横に倒れこんでいるザックさんの頭の上にも降りかかった。

「あっ!ごめん!つい!」

なかなかお風呂から出ていかなかったから心配して確認に来てくれたのはわかっているんだけど、やはり裸を見られたというのは恥ずかしいのだ。
誰かしら?こんなツルペタな身体見ても仕方ないって言ったの?
気のせい?
空耳?

「マユお風呂で死んじゃうの!」

「お風呂きらいっ!」

「お風呂めっ!」

おおう。
マーニャたちに盛大に怒られている。
でも、可愛いんだけど。
ぷくぅーっと頬を膨らませて怒ってくるがもう可愛いだけである。しかも、それがワタシを心配して怒っているとなると余計に可愛い。

「あはは。ごめんねぇー。ついついお風呂が気持ち良くて。」

頭をポリポリかきながら可愛い可愛いマーニャたちに言い訳をする。
うん。言い訳だ。
なんたってお風呂で寝てしまった自分が一番悪いのだから。

「マユもうお風呂に入っちゃダメ!」

「ダメなのっ!」

「お風呂に近づかないでなのっ!」

「えっ?でも、お風呂はとても気持ちいいのよ?寝ないようにするから入らせて?」

「「「ダメッ!!!」」」

マーニャたちにお願いをしたら、速攻で却下された。
よほど心配をかけてしまったようである。

「マユさん。取り合えず服を………。向こうに行ってるから。」

「あ、すみません。」

気を取り直したザックさんが濡れてる頭をそのままでベッドルームの方に出ていった。プーちゃんもザックさんがズルズルと引っ張っていった。

「マーニャ、クーニャ、ボーニャ。服を着ちゃうからちょっと放して?」

「「「いやっ!!!」」」

困った。マーニャたちに放してもらわないと服もきれない。むしろ、しっかりと抱きついているので身動きも出来ない。
うん。
このままじゃ確実に湯冷めをする。

「びっくりさせちゃってごめんねー。ほら、着替えないと。マーニャたちも服が塗れちゃってるよ?一緒に着替えよう?」

離れまいと嫌がるマーニャたちを慰めて、なんとか着替えることに成功した。
また、マーニャたちの濡れてしまった服を着替えさせることにもなんとか成功した。

成功はしたが、着替えた後もマーニャたちは私の側から離れず、寝るときも4人でひっついて寝ることになった。
まあ、マーニャたち可愛いからいいんだけどね。

やっぱりお風呂で寝てしまったことは大失敗だったと改めて反省した日であった。

でも、本当に大変だったのは翌日だったなんて、このときの私は知るわけもなかった。
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