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二章

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おっ風呂~。おっ風呂~。

異世界に来てから初めてのお風呂~。

嬉しいなったら嬉しいな。

 

この世界のお風呂も脱衣場とお風呂場がちゃんとにわかれていた。

日本でもユニットバスとかだと脱衣場なんてないんだけどね。

やっぱり高級そうな宿だけあってちゃんとした作りになっているようだ。

ぺペッと服を脱ぎ捨ててお風呂場に入る。

お風呂には溢れんばかりのお湯が汲まれていた。

 

「そうそう。こういう溢れそうなほどいっぱいのお湯に浸かるのがいいんだよね。」

 

最初に身体をと洗う。

この世界にも石鹸があったので、タオルに石鹸をつけて身体を洗っていく。

まあ、ボディーソープも化粧落としも洗顔フォームもなかったけれど。

石鹸があるだけめっけもんだよね。

ついでに、シャンプーも用意されていたので、こちらも使ってみた。

石鹸もシャンプーも日本のものと遜色ないレベルのものである。

よく異世界だとシャンプーや石鹸がないとか、レベルが低いとかあるけど、この世界はそんなことないようだ。

もしかして、先にこの世界に迷い込んできた人が作って広めたりしていたのかな。

でも、化粧水や化粧落としがないってことはこの世界に迷い込んできたのは男性かな?

もしかして、王都にいる50年前に来たマコトさんだったりして。

身体を隅々まで洗ったので、いざお風呂に!

ってことで右足からゆっくりお風呂に浸かる。

お湯加減は丁度いい。熱くもなくぬるくもない。

絶妙なお湯加減だ。

 

「はぁ~。気持ち良い~。」

 

肩まで湯船に浸かったので、ザバーッとお湯が溢れるが気にしない気にしない。

これが一番の楽しみなのだから。

こう、お湯が湯船から溢れるのってなんだかとんでもない贅沢をしているようだ。

お風呂に浸かっているとこれまでの疲れが取れるようだ。

風呂は命の洗濯とは誰が言った言葉だっただろうか。

まさにその通りだと、今、実感している。

お風呂の中で手足を投げ出して目を瞑ればあまりの気持ちよさに眠気が襲ってくる。

ダメだダメだと思いつつも、ちょっとだけならいいよねぇ。なんて誘惑に負けそうになる。

 

「はふぅ~~~。」

 

気持ちよくてだんだんと瞼が下がってくるのを止められない。

寝ちゃダメだ・・・。

寝ちゃ・・・ダメ・・・だ・・・。

 

 

 

 

「マユさんっ!マユさんっ!」

 

ドンドンドンドンッ!!

 

「・・・んぅ?」

 

誰かの叫び声と何かを必死に叩くような音で意識が覚醒する。

あれ?

今、どこにいるんだったっけ?

何をしてたんだっけ?

 

「・・・モガッ!!・・・げふっ!!」

 

バチャバチャバチャ。

 

意識が覚醒した瞬間。水を思いっきり飲み込んでしまった。

慌てて手足をバタつかせる。

その瞬間、自分がお風呂でついつい寝てしまったことを思い出した。

 

あちゃー。やっちゃったなぁ~。

 

って、思ってなんとかお風呂から這い出す。

 

「大丈夫ですかっ!マユさんっ!!」

 

「だ、だいじょ・・・げほげほげほっ。」

 

うう。大丈夫だけど大丈夫じゃないよ。

水いっぱい飲んじゃったみたいでちょっと苦しいかも。

 

ガチャッ。

 

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