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二章

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スピードが緩まったと思ったら、どこかに放り出されたようで、地面にゴロゴロと転がった。

でも、身体に巻きついている落ち葉がクッションとなって落下時の痛み等はなかった。

地面に下りると、あれほどしっかりと巻きついていた落ち葉がハラハラと身体から剥がれていく。

あれほど、もがいても剥がれなかった落ち葉が、だ。

きっと女神様とやらの力が働いていたのだろう。

 

「うふふ~。待っていたわよぉん、マユちゃん。」

 

「えっ?」

 

まだ目に落ち葉が張り付いているので、目が見えない。

でも、優しそうな声が聞こえてきた。

女性か男性かわからない中性的な声が聞こえてくる。

もしかして、女神様だろうか。

 

「女神様・・・ですか?」

 

「ん~。女神様と呼ぶ人もいるわねぇ。だって、私こんなに綺麗なのよ。スタイルも良いし。もう女神様よねぇ。男神だなんて誰にも言わせないわ。」

 

んにゃ?

男神様なの?

今の話し方だと男神様だよね?

綺麗でスタイルが良いって私、目が見えないからわからないんだけど・・・。

 

「ふふふ。私があまりにも美しいから驚いて声が出ないのねぇ。美しいって罪だわ。」

 

「いえ。目が見えないんです。落ち葉で目が塞がってるんです。」

 

「あら。残念だわ。」

 

いや、残念とかじゃなくて、落ち葉とってくれないかな。

これ、いくら手で引っ張っても取れないんだけど・・・。

 

「でね、マユちゃんにお願いがあるの。」

 

ああ、女神様?男神様?は私のお願いを聞いてくれないようである。

 

「それよりも・・・落ち葉を・・・。」

 

「あのね。二つお願いがあります。」

 

「いや、だから落ち葉を・・・。」

 

「まず一つ目は・・・。」

 

やっぱり落ち葉を取ってもらうことは出来ないようである。

もしかして、見られたくないのだろうか?

スタイル良くて美しいのなら見たって問題ないだろうに。

 

「マユちゃん聞いてる?一つ目のお願いは畑で作物をいっぱい作ってね。あと、料理の腕を磨いてちょうだい。」

 

「聞いてます。」

 

って、一つ目のお願いに二つも要求が含まれているんだけれども。

でも気にせず女神様は続ける。

 

「二つ目のお願いは、そろそろ精霊王の卵が孵る頃だと思うの。あと精霊王の従者の4大精霊の卵もそろそろ孵るはずだわ。彼らの育成をお願いね。」

 

「へっ!?」

 

一つ目のお願いはわかった。

とても簡単なお願いだ。

いままでのように作物を作っていればいいんだし、料理の腕を磨けばいいだけなのだ。

でも、二つ目のお願いってどういうことだろう。

精霊王の卵が孵るのはわかったけれども、その卵ってどこにあるの。

育成をお願いって言われてもどうやって育てればいいのだろうか。

その前に、どうやって精霊王たちを見つければいいの。

問題山積である。

 

「あの、精霊王はどちらにいらっしゃるのでしょうか・・・?」

 

「うふふ。頼んだわよ。マユちゃん。」

 

女神様がそう言うと、私の身体がここに来たときと同じように物凄いスピードで移動した。

 

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