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二章
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しおりを挟む「プーちゃんどうしたの?なんで、泣いてるの?マーニャたちになにかあった?」
ダバダバダバダバと涙を流しているプーちゃんに近づいて優しく声をかける。
でも、プーちゃんは泣いてばかりいて、ちっとも答えてくれない。
そればかりか、急に空へと飛び上がり、街の方へ飛んでいってしまった。
「えっ!?マーニャたちに何かあったの!!」
泣きながら急に飛んでいくなんて、マーニャたちに何かあったのかと、思わずプーちゃんの姿を追って駆け出す。が、しかし、やっぱりザックさんに腕を掴まれ止められてしまった。
「どうして?もしかしたら、マーニャたちが!!」
「ちょっと待て、落ち着け。街から誰かが出てきた。」
「えっ?」
街の方を見ると確かに人影が見える。どうやら、誰かが出てきたようだ。
「まずは、話を聞いてみよう。」
ザックさんが、ゆっくりと人影に歩いて近づいていく。
でも、なんだか人影はずいぶん小柄なようだ。
もしかして、子供だろうか?
でも、人影が近づくにつれ、その姿がはっきりとわかるようになると、私は思わず「はっ!」っと息を飲んでしまった。
だって、だって、だって!!
フサフサな猫耳がついているんだもの!!しかも、マーニャそっくりな猫耳!!
って、後ろからはさらに人影が2つこちらに小走りで近づいて来ているようだ。
この子は追われているのだろうか?
でも、その顔はニコニコ楽しそうに笑っているだけなので、どうやら追われているわけでもないようだ。
スカートの後ろから出ている虎模様の尻尾がピーンっと上を向いている。
確か猫が尻尾をピーンっと上に向けている時は嬉しい時だったっけ?
「こんにちは。」
視線を低くして、フサフサな耳と尻尾を持つ女の子に声をかけてみる。
ビックリされるかなと思ったが始終笑顔を浮かべている。
「こんにちわなの~。」
可愛らしい声で可愛らしい挨拶が帰ってくる。フサフサな耳はゆらゆらと風を感じるように、揺れていた。
「マユとお話できる、嬉しいなの~。」
そう言ってフサフサな猫耳を持つ女の子は、私に抱きついてきた。
ああああああ、フサフサな耳が可愛い。撫でたい、撫でたい!!
思わず手が少女の耳に向かう。
あともう少しで、少女のフサフサな猫耳に触れられるってときに、やっぱり両手をザックさんに掴まれて止められた。
「やめろ。犯罪者みたいだ。」
「犯罪者って、私が?失礼しちゃうわ。この可愛い子を愛でようとして何が悪いのかしら。」
可愛い子は愛でるためにあるのだから、存分に愛でなければ。
ザックさんの腕を振り払おうとするが、やっぱりザックさんは美人な顔をしているが男であって、力では敵わなかった。
「それより、この子はマユさんの名前を呼んだような気がするが?」
「ん?あれ?そう言えば………。」
確かにザックさんが言うようにさっき、名前を呼ばれたような気がする。
しかも、話しが出来て嬉しいって、どういうこと?
私、この世界にはキャティーナ村の人たちしか知り合いいないんですが。
っていうか、こんな可愛い子、一度お知り合いになったら忘れないと思うんですけど!!
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