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二章

2ー55

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「プーちゃん、ここはどこなの?」

 

キョロキョロとあたりを見回してみる。

キャティーニャ村より栄えてはいるようだが、王都と呼ばれるほど大きな町には思えない。

遠くの方に門を守るための守衛が2人いるようだ。

これは、キャティーニャ村にはいなかったのでキャティーニャ村より栄えていそうだという風に思った理由の一つでもある。

それに、ここから見える民家と思わしき屋根の数も多いし。

 

『ここは王都である(滝汗)。』

 

王都には思えないが、プーちゃんは王都だと言う。

でも、ザックさんも「ここは何処だ。」なんて言っているし、何度も王都まで行ったことがあるザックさんが王都を間違えるはずがない。

それに、なんだかプーちゃんの額に冷や汗のようなものが見えるような気がする。

 

「本当?本当に本当に王都?」

 

『・・・王都はマユたちが暮らす村から3日ほどの距離にある人がいっぱいいるところであろう?』

 

「うん。まあ、そうだね。」

 

『なら、ここは王都で間違いない・・・と思う。』

 

プーちゃんの目が泳いでいる。

どうやらプーちゃんは王都というものを知らなかったらしいので、キャティーニャ村から3日程の距離にある人がいっぱいいるところを王都として転移したようだ。

 

「プーちゃん。王都の位置知らないなら知らないって言って欲しかったな。」

 

確認しなかった私も私だけど。

王都の位置をプーちゃんなら知っていると思い込んでしまっていた私のミスでもある。

よくよく考えればマーニャたちに会うまではプーちゃんはダンジョンで引きこもり生活を送っており、人間の食べる食べ物も知らなかったのだ。

王都なんて知っているはずがなかったのだということに、今更ながらに気がつく。

 

『・・・すまぬ。』

 

まあ、プーちゃんも反省しているみたいだしね。

トグロを巻いて、首がもげそうな程、下を見つめている様子からどうやら反省しているということが伺える。

プーちゃんを責めてもしようがない。

 

「ザックさん。王都の位置をプーちゃんに教えてあげてくれませんか?プーちゃん王都の位置を知らなかったようです。」

 

「ああ。でも、その前にここはどこなんだろうか。レコンティーニ王国ではないようなのだが・・・。」

 

「えっ?馬車で3日ってそんなに遠くまで行けるものなんですか?」

 

ザックさんは仕事でレコンティーニ王国の各地を巡っているという。

それなのに、ザックさんはこの村だか町だかを知らないという。

どうやら初代女王の力が届かない国に来てしまったようである。

それって、マーニャたちが危険に晒されるってこと!?

そう気づいて慌ててマーニャたちの姿を探す。

 

「マーニャ、クーニャ、ボーニャ。」

 

『んん!?マーニャ様たちは何処だっ!!』

 

呼んでもマーニャたちは出てこなかった。

どこかに隠れているのかと馬車の中を見るがどこにも姿が見えない。

ザックさんも探すのを手伝ってくれたが、馬車の中にも外にもいないようである。

ザックさんは首を静かに横に振っていた。

 

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