164 / 584
二章
2ー45
しおりを挟む私はプーちゃんの魔力が篭った化粧水を手に取り、鑑定してみる。
「ぶふっっ!!」
鑑定結果を見て、思わず吹いてしまった。
どうりで、プーちゃんが倒れてしまったわけだ。
この味は、飲むには適さない味だ。
「マユ、汚い・・・。」
「ご、ごめん・・・。」
唾がマリアの方にまで飛んでしまったようで、顔をしかめている。
でも、鑑定結果を見てしまったら噴出さずにはいられなかった。
「鑑定結果はなんだって?」
「飲める化粧水ってことは間違いないんだけどね。味に難ありなんだよね。」
「何味なの?」
「・・・醤油味。【味を気にしなければ飲めないこともない。】って鑑定結果に出てる。」
「・・・醤油味?」
あれ?
マリアも同じように笑ってしまうかと思ったがどうやらそうではないらしい。
醤油を知らないのかな?
「知らない?」
「知らないわ。」
なんてことだ。
マリアは醤油というものを知らなかったようだ。
「醤油はね、私がいた世界では調味料の一種だったんだよ。香ばしくて美味しいんだよ?醤油って。」
「でも、味を気にしなければ飲めないこともないって鑑定結果に出ているのよね?美味しくないんじゃないの?」
「調味料だからね。醤油だけ飲んだら味が濃すぎるんだよ。料理に使うとコクが出てとっても美味しいんだよ。」
うん。
醤油は是非とも欲しい調味料だった。
でもね、化粧水が醤油味だなんてますます使いたくないよねぇ。
イメージとしては醤油を肌に塗るってイメージになってしまうからなんとなく、気が乗らない。
これは調味料として料理に使おうかなぁ。
「この世界には醤油がないのかな?」
「私は聞いたことがないわね。でも、今日の味噌とかも知らなかったし・・・。あまり流通していない調味料なのかもしれないわ。」
そうか。
そう言えばマリアは味噌も今日が初体験だったはずだ。
ということは・・・。
「ユキさんだったら醤油のこと知っているのかな?」
「知っているかもしれないわね。後でユキさんのところに行ってみようよ。」
私たちはこうして、プーちゃんを置いてユキさんのところに向かうことにした。
ちなみにソフィアさんには、プーちゃんのことは気にしないでそっとしておいて欲しいとだけ伝えておいた。
ソフィアさんは戸惑いながらも頷いてくれたのでよしとする。
しかし、【飲める化粧水】が【味を気にしなければ飲めないこともない化粧水】に代わってしまうだなんて、プーちゃんの魔力はなんて恐ろしいんだろう。
でも、私じゃ効果を鑑定で見れないから味だけで驚いてしまったんだけれども、これ効果を鑑定してみたらどうなるんだろう。
でも、私のレベルではまだ効果までは鑑定で見れないので王都の鑑定士さんに鑑定してもらわなければならない。
気になる。
ものすごーく効果が気になってしまった。
知らない方がいいのかもしれないけれど。
でも、気になる。
なんかろくでもない効果な気がひしひしとするけれども。
そんな葛藤をしていたら村長さんの家に着いてしまった。
42
お気に入りに追加
2,574
あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~
夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。
「聖女なんてやってられないわよ!」
勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。
そのまま意識を失う。
意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。
そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。
そしてさらには、チート級の力を手に入れる。
目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。
その言葉に、マリアは大歓喜。
(国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!)
そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。
外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。
一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。

転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。

ギルドの小さな看板娘さん~実はモンスターを完全回避できちゃいます。夢はたくさんのもふもふ幻獣と暮らすことです~
うみ
ファンタジー
「魔法のリンゴあります! いかがですか!」
探索者ギルドで満面の笑みを浮かべ、元気よく魔法のリンゴを売る幼い少女チハル。
探索者たちから可愛がられ、魔法のリンゴは毎日完売御礼!
単に彼女が愛らしいから売り切れているわけではなく、魔法のリンゴはなかなかのものなのだ。
そんな彼女には「夜」の仕事もあった。それは、迷宮で迷子になった探索者をこっそり助け出すこと。
小さな彼女には秘密があった。
彼女の奏でる「魔曲」を聞いたモンスターは借りてきた猫のように大人しくなる。
魔曲の力で彼女は安全に探索者を救い出すことができるのだ。
そんな彼女の夢は「魔晶石」を集め、幻獣を喚び一緒に暮らすこと。
たくさんのもふもふ幻獣と暮らすことを夢見て今日もチハルは「魔法のリンゴ」を売りに行く。
実は彼女は人間ではなく――その正体は。
チハルを中心としたほのぼの、柔らかなおはなしをどうぞお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる