婚約破棄されて異世界トリップしたけど猫に囲まれてスローライフ満喫しています

葉柚

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二章

2ー45

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私はプーちゃんの魔力が篭った化粧水を手に取り、鑑定してみる。

「ぶふっっ!!」

鑑定結果を見て、思わず吹いてしまった。
どうりで、プーちゃんが倒れてしまったわけだ。
この味は、飲むには適さない味だ。

「マユ、汚い・・・。」

「ご、ごめん・・・。」

唾がマリアの方にまで飛んでしまったようで、顔をしかめている。
でも、鑑定結果を見てしまったら噴出さずにはいられなかった。

「鑑定結果はなんだって?」

「飲める化粧水ってことは間違いないんだけどね。味に難ありなんだよね。」

「何味なの?」

「・・・醤油味。【味を気にしなければ飲めないこともない。】って鑑定結果に出てる。」

「・・・醤油味?」

あれ?
マリアも同じように笑ってしまうかと思ったがどうやらそうではないらしい。
醤油を知らないのかな?

「知らない?」

「知らないわ。」

なんてことだ。
マリアは醤油というものを知らなかったようだ。

「醤油はね、私がいた世界では調味料の一種だったんだよ。香ばしくて美味しいんだよ?醤油って。」

「でも、味を気にしなければ飲めないこともないって鑑定結果に出ているのよね?美味しくないんじゃないの?」

「調味料だからね。醤油だけ飲んだら味が濃すぎるんだよ。料理に使うとコクが出てとっても美味しいんだよ。」

うん。
醤油は是非とも欲しい調味料だった。
でもね、化粧水が醤油味だなんてますます使いたくないよねぇ。
イメージとしては醤油を肌に塗るってイメージになってしまうからなんとなく、気が乗らない。
これは調味料として料理に使おうかなぁ。

「この世界には醤油がないのかな?」

「私は聞いたことがないわね。でも、今日の味噌とかも知らなかったし・・・。あまり流通していない調味料なのかもしれないわ。」

そうか。
そう言えばマリアは味噌も今日が初体験だったはずだ。
ということは・・・。

「ユキさんだったら醤油のこと知っているのかな?」

「知っているかもしれないわね。後でユキさんのところに行ってみようよ。」

私たちはこうして、プーちゃんを置いてユキさんのところに向かうことにした。
ちなみにソフィアさんには、プーちゃんのことは気にしないでそっとしておいて欲しいとだけ伝えておいた。
ソフィアさんは戸惑いながらも頷いてくれたのでよしとする。

しかし、【飲める化粧水】が【味を気にしなければ飲めないこともない化粧水】に代わってしまうだなんて、プーちゃんの魔力はなんて恐ろしいんだろう。
でも、私じゃ効果を鑑定で見れないから味だけで驚いてしまったんだけれども、これ効果を鑑定してみたらどうなるんだろう。
でも、私のレベルではまだ効果までは鑑定で見れないので王都の鑑定士さんに鑑定してもらわなければならない。
気になる。
ものすごーく効果が気になってしまった。
知らない方がいいのかもしれないけれど。
でも、気になる。
なんかろくでもない効果な気がひしひしとするけれども。

そんな葛藤をしていたら村長さんの家に着いてしまった。


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