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二章

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みんなで一緒に家に戻るとすぐにトマトを見に行った。
今日はプーちゃんがまだトマトを食べていないからか、沢山の赤く色づいたトマトが生っていた。
艶々とした赤い色が食欲を誘う。
初めてこの世界に来てトマトを食べてから、そう言えばずっと食べていなかった。
なぜって?
プーちゃんが全部食べてしまうからだ。
特に赤くて大きいトマトを1つもぎ取る。
手のひらサイズのトマトはとても美味しそうだ。

「あれ?」

「どうしたの?マユ?」

トマトを久々に見て、思わず首を傾げる。そんな私を見て同じように首を傾げるマリアと、マーニャたち。
因みにプーちゃんは、トマトを見た瞬間トマトに飛び付いたので、紐でぐるぐるに縛ってある。現在、トマトが目の前にあるのに食べれなくて涙をダバダバと流しているが、気にしないことにする。

「今さらなんだけどさ、私の買ったトマトの苗ってミニトマトじゃなかったっけ?」

ものすごく今さらなんだけどね。
でも、確かミニトマトだったような気がするんだよね。普通のトマトだと手で受粉させないと上手く実がならないし、病気にもなりやすいからって、ミニトマトを選んだはずなんだよね。
初心者でも作りやすくて、簡単なミニトマトを選んで購入したはずなんだ。
実際にもう小さい緑色の実が生ってたものを買ったし。

「あれ?そう言えばミニトマトだったよね?あれ?」

「そうだよね?いつ普通のトマトに変わったのかな?」

マリアもやっと思い出したようで、同じく首を傾げている。

肥やしをやりすぎた訳じゃないよね?
ミニトマトとトマトって品種が違うはずだし、ミニトマトが手のひらサイズまで大きくなるなんて聞いたことがない。

「えっと………考えてもわからないから鑑定してみたら?」

「………うん。そうする。」

私は手に持ったトマトに意識を集中させる。
すると、トマトのステータスがわかる。

【ミニトマト(特大・魔力増強)
    食べると食べた生物の魔力の最大値が増加する。効果は永久に続く。
    異世界からの迷い人の魔力と竜の涙により奇跡的に出来上がった手のひらサイズのトマト。】

「うそでしょ!!」

鑑定結果に思わず声をあげてしまった。
私が読み上げた鑑定結果にマリアも頭を抱えている。

「このトマトあり得ないでしょ!」

ありゃあ。
マリアが頭を抱えて蹲ってしまった。
そうだよね。私の魔力は別にいいとしても、プーちゃんの涙は国宝級だもんね。そんなのがドバドバ使われてたら、このトマトも国宝級になるよね?
ていうか、ミニトマトが大きくなったのは、私が「大きくなぁれ」って言ったのが原因なのだろうか…。いや、あれは、早く成長するといいなと思って言った言葉なのに、まさか本当にトマトのサイズが大きくなるだなんて誰が思うだろうが。

「あはは。このトマト、オークションに出したらいくらになるんだろうね。」

「出さないでマユ。こんなの他の人に知られたら、トマトが欲しい人が殺到するわよ!ここにのんびり住んでいられなくなるわよ。」

「そうだよねー、やっぱり。」

便利すぎるものはやはりよろしくないらしい。それが、簡単に増やせるものならばいいが、このトマトは異世界からの迷い人と竜の涙が必要になる。
そんなに簡単に増やせるものではない。
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