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二章
2ー38
しおりを挟むどうやらマリアはご飯(お米)を食べるのも初めてのようだ。
それに、味噌汁や魚の煮付けも初めて食べたようで、口に入れるたびに驚いたような顔をしている。
「不思議な味。でも、美味しいわ。」
どうやらユキさんの味付けはマリアもお気に召したようだ。
それにしても、ユキさんの作る料理は完全に和食だ。
この世界でも和食を食べている国があるのだということが新鮮に思えた。
「私の故郷の味なんです。気に入ってもらえたようでよかった。」
ユキさんはにっこりと笑って自分も食べ始めた。ユキさんの箸使いをみていると、とてもきれいに食べているのがわかる。
片や村長さんはお箸の使い方が少々ぎこちないような気がする。
きっと、村長さんはユキさんにあわせてお箸を使い始めたんだろうなと思った。
プーちゃんはお箸を持ったはいいが、やはり使い方がわからなかったようで、お皿を手にとると口の中に流し入れていた。
不思議なことにミニトマトだけ残している。
あれ?プーちゃんミニトマト大好きだったよね?
「プーちゃん、ミニトマト食べないの?」
不思議に思って声をかける。
『はっ!!これはダメなのだっ!いくらマユでもあげることはできぬ!これは我が食べるのだっ!!』
プーちゃんはそう言って、ミニトマトの乗ったお皿を取られまいと抱え込む。
どうやら、好きなものは最後に取っておく派らしい。
「とらないから安心して。トマト大好きなのに食べないからどうしたのかなって思っただけだから。」
『そうか。驚かせないでくれ。』
いや、別に驚かせたわけじゃないんだけど・・・。
プーちゃんもユキさんの料理が気に入ったのか黙って食べている。
プーちゃんの場合、気に入らないと一口食べてペイッって吐き出すからなぁ。ユキさんの料理は口にあったと思っていいだろう。
そうして見ているうちに、プーちゃんはミニトマトを残して完食していた。
『ふふふ。トマトッ♪トマトッ♪いただきまぁす♪』
プーちゃんはミニトマトを一粒口に入れた。
そして、咀嚼する。
が、なにやらおかしい。首を傾げている。
美味しくなかったのだろうか。
でも、うちで採れたトマトと味は変わらなかったのだけれども。
「・・・プーちゃん?」
首を傾げたまま固まってしまったプーちゃんを覗き込む。
その表情はなんというか、腑に落ちないと言ったような顔をしている。
もぐもぐ、ごくんっ。とミニトマトを飲み込んで、残りのミニトマトも食べ始めた。
2個目も食べ始めたのでまずいという訳ではないらしい。
ただ、2個目を食べた時もプーちゃんは首を傾げていた。
いったいこのミニトマトがどうしたというのだろうか。
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