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二章
2ー23
しおりを挟む「「「にゃぁーっ!!」」」
「えっ?・・・うわぁっ!」
化粧水の効果に感動していると、マーニャ達が私に飛びついてきた。
三匹とも私の前足を引っ掛けて、上を向いて「にゃーにゃーにゃーにゃー。」訴えている。
「ど、どうしたの?マーニャ?クーニャ?ボーニャ?」
傍にいる村長さんもマリアも目を丸くして驚いている。
まるでマタタビを与えた猫に三匹とも興奮をして私に何かを訴えている。
訴えられていることはわかるのだが、何を言っているのか分からない。
思わず隣にいるマリアに助けてという視線を向ける。
「あのね、マユ。マーニャ様たちも化粧水飲んでみたいんだって。」
「えっ!?」
「「「にゃぁぁあん!!」」」
マリアが通訳してくれた内容にビックリする。
マーニャ達もこの化粧水が飲みたいですって?
確かにこの化粧水を作成するにあたりマーニャに手伝ってもらったけれども、そもそも猫って化粧水飲むの?
いや違った人間であっても私とマーニャ達で作ったこの化粧水を除くと普通の化粧水はまず飲まないか。
って、そうでもなくって猫に化粧水飲ませてもいいのだろうか?
「いいんじゃない?ダメだったら初代女王様の魔法でマユがはじき飛ぶから大丈夫よ。」
「えっ!?それは困るんだけどっ!!」
「はじき飛んだらマユが元いた世界に戻れるかもよ?」
マリアがケラケラ笑いながら怖いことを言う。
まあ、マーニャたちに害が及ばないんだったらいいんだけどね。
こんな可愛い子たちが苦しむ姿は見たくないし。
「元の世界に戻れる保証は?」
「んー。保証はないわね。でも、まず飛ばされることはないと思うよ。今回はマーニャ様たちが望んでいることだからね。」
「「「にゃぁあん?」」」
飲んじゃダメ?と言うように首を傾げながら見つめてくる3匹の猫たち。
可愛すぎる。
そのキラキラと好奇心に輝く目とか。
興奮で力の入っている前足とか。
力が入っているおかげで、爪が食い込んでいる足が痛むけれど・・・。
「飲んでみる?」
「「「にゃっ!!」」」
化粧水を片手にマーニャ達に確認してみたら二つ返事で頷いている。
「美味しくなかったり、少しでも体調が悪いと思ったら飲むのやめてね。」
「「「にゃあん!」」」
村長さんがどこからともなく3匹分の器を持ってきた。
使い込まれたそれは、この子たちが村長さんの家に住んでいた時に使用していたものだろうか。
私は、村長さんが持ってきてくれた器に化粧水を三等分して注いだ。
すると、マーニャたちが我先にと器に群がる。
ペロッ。
三匹が同時に化粧水を舐めた。
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