婚約破棄されて異世界トリップしたけど猫に囲まれてスローライフ満喫しています

葉柚

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二章

2ー19

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『はろぉ~。あんたまぁた変なものを作成したのねぇ~。』

もう慣れたものだが、突然頭の中に王都の鑑定士さんの声が響いてくる。
しかし、化粧水が変なもの呼ばわりされている。
またおかしな効能でもついてしまったのだろうか。

「猫様が協力してくれたんです・・・。」

『あんたのところのぉ猫様ってすごいわねぇ~。で、鑑定結果だけどぉ~。化粧水だけど飲めまぁ~す。しかもメロンソーダ味でぇ~す。』

うん。知ってた。
そこまでは、飲んだ後の効能が知りたいところなんだけど・・・。

『それでさぁ~。メロンソーダ味ってどんな味なのかしらぁ~?』

「え?」

鑑定士さんはメロンソーダの味を知らない・・・?
一瞬この世界にはメロンソーダがないのかと思ったけれども、マリアの反応は普通だったような気がした。
チラリとマリアの方を横目で見る。

「マリア、メロンソーダ味って知ってる?」

「知らないわ。この世界にはメロンソーダなんてないわよ。」

あれ?知らなかった。
なんで、あの時普通だったのかしら。

「マユの世界の味なのかなぁ~と思って深く考えていなかったわ。いちいち突っ込むのも面倒だったしね。」

「・・・そうなんだ。」

この世界にはメロンソーダ味がなかったようです。
でも、いざどんな味かを説明するのって難しいよなぁ。

「メロンって言ってますけど、メロンの味はしません。色がメロンみたいな色をしているからメロンってついています。ソーダは口に含むとしゅわしゅわ~とします。」

これって説明になっているのだろうか。
やや間があってから鑑定士さんから返事があった。

『メロン色をしたしゅわしゅわ~ってことかしらぁ~?しゅわしゅわっていうのがぁ~よくわからないけれどぉ~?』

「しゅわしゅわなんです。しゅわしゅわ。ん~説明が難しいので鑑定士さん化粧水一本差し上げます。飲んでみてください。」

ソーダのしゅわしゅわっていざ味として伝えるのって難しいよね。
ということで、手っ取り早く鑑定士さんに実際にメロンソーダを体験してもらうことにした。
といっても、この世界で練成した化粧水を私もまだ飲んでいないから日本と同じかどうかはわからないけれども。

『あらぁ~。いいのぉ~遠慮なくいただいちゃいますねぇ~。』

「ってちょっと待って!その前に効能を教えてください!」

飲んでみて変な効能だったりしたら困るし、念のため鑑定士さんに確認してみる。
まあ、飲むのは鑑定士さんなので効能知ってて飲むんだろうから安心だけれども。

『効能はねぇ~。お肌つるつるぅ~の目の色が緑になりまぁ~す。』

「目っ!?」

何故、目!?
化粧水でなぜ目の色が変わるの!?


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