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二章

2ー16

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「マーニャ、クーニャ、ボーニャ、今日は一緒に村長さんのところに行こうね。」

「「「にゃっ!」」」

ご飯を食べ終わってからマーニャたちに告げると、すぐに色好い返事が反ってきた。
今日は、これからソフィアさんのところに行って化粧水作りをし、それから村長さんのところでお昼ご飯を食べる予定だ。
そうして、村長さんの家で化粧水のオークションの中継を見る予定である。

「今日は予定が詰まってるなぁ。」

マーニャたちを撫で撫でしながら、出掛ける準備をする。
今日の化粧水の材料もマリア持ちだ。
マーニャたちを運ぶためのバスケットを用意する。

「じゃあ、出掛けようね。」

そう言うと、マーニャたちが自分からバスケットの中に入っていった。
ご飯を食べてお腹がいっぱいになったので眠いらしく、バスケットの中に入って3匹で毛繕いをしながら眠ってしまったようだ。
私はそっとバスケットの蓋を閉じて、大事に抱え込み家を出た。
昨夜、雨が降ったのか玄関前が濡れていた。不思議なことに玄関前しか濡れていなかったが。集中的に玄関前だけ雨が降ったのだろうか。
気にはなったが、別に雨が降ったからといって困るという訳ではないので、気にしないことにした。
だから玄関の横で小さくなったプーちゃんがとぐろを巻いて寝ていることにはまるっきりこれっぽっちも気にならなかった。







「ソフィアさん。おはようございます。」

今日はマリアとはソフィアさんの工房で待ち合わせをしている。わざわざマリアが私の家にくるよりは直接ソフィアさんのところで待ち合わせた方がマリアの負担が少ないからだ。

「おはようございます。マユさん。マリアちゃんならもう工房にいますよ。」

開店準備のため棚に薬を並べているソフィアさんが出迎えてくれた。

「マリア、早いですねぇ。」

「ふふっ。マリアちゃんも化粧水作るの楽しみなんでしょうね。」

ソフィアさんの笑顔に見送られながらマリアが待っている工房に向かう。
マリアは既に化粧水の材料を用意して待っていた。

「おはよう、マユ。」

「おはよう、マリア。早かったんだね。」

「化粧水が気になって早く起きてしまったのよ。さあ、始めましょう。」

「ええ。」

私はマーニャたちが入っているバスケットを邪魔にならないように工房の隅に置いた。その際、蓋をそっと開けて中を除いてみたら3匹とも仲良く眠っていた。
マリアが用意してくれた薬草と山の湧き水を錬金釜の中に入れ蓋をする。
今回も釜は二つ使わせてもらうことになっている。
ひとつは普通の化粧水をつくって、マーニャたちにお願いして魔力を込めてもらう予定だ。もうひとつは「美味しくなあれ。」と魔力を込める。こちらについては、マーニャたちに魔力は込めてもらわない場合の実験をする予定だ。

さて、上手く検証できるだろうか。
私はひとつ目の錬金釜に魔力を込める。続いてふたつ目の錬金釜に「美味しくなあれ。」と魔力を込める。
準備は整った。
これで、後は3時間待つだけだ。
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