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二章
2ー2
しおりを挟む「マリア!化粧水が完成したの。ちょっと見てくれないかな?」
化粧水の判断がつかなくて、マリアに確認してみる。
こちらの世界では、化粧水は飲むものなのだろうか。また、瓶は材料を入れなくても勝手にできるものなのだろうか。化粧水の味も、特に変わったものを入れなかったのに、どうして味が変化したのか。
わからないことは多々ある。だって、錬金釜使用したの初めてだし。
「私もちょうど化粧水が出来上がるかなって思って見に来たの。どう?ちゃんと出来ている?」
「これよ」
私は、マリアに7本の化粧水を見せた。
「はあ!?何これ!!」
あ、あれ??
マリアがものすごく驚いている。
前のめりになって化粧水の入った瓶をジッと見つめている。
「あり得ない。あり得ないわ。どうして色が皆違うのかしら。化粧水っていったらほんのりエメラルド色なのよ。なのに、なんでこんなに色とりどりなの!?マユ、何をしたの?」
「あれ?色って決まっているの?ちなみに、化粧水が飲めるのはこちらの世界では普通?」
「え!?飲めるの!?なにそれ、聞いたことないわよ!マユ、ほんと何をしたらそうなるの!?あれ!?もしかして、『美味しくなぁれ』って言ったから飲めるようになったの?」
どうやら、色が変わるのも飲めるのも普通じゃあり得ないらしい。
「う~ん。なんでこんな風になったのか私にもわからないのよねぇ。だから、マリアに聞こうと思ってたんだけど・・・。錬金釜を開ける前にボーニャが触ったら七色の光が錬金釜を包んだの」
「おぉっと・・・ボーニャ様ったらすごいわ。きっとマユが化粧水を飲めるようにしてボーニャ様が味をつけたのね。規格外な化粧水ね。効果はどうなのかしら?」
そう言って、マリアは興味深そうに化粧水の瓶を振りながら見つめている。
「そう言えば、化粧水の瓶って材料入れてないのに勝手に作られるの?」
「瓶?瓶ってなに?」
あれ?
この世界には瓶って言葉がないのかしら。
私は化粧水を指差し、告げる。
「化粧水が入っている器のこと。瓶に似ているなって思ったんだけど・・・」
「ああ、これ?これはね、山の湧き水が固まって器を形成しているのよ。もう一度錬成釜に入れると元の山の湧き水に戻るわよ」
「へぇー。瓶じゃないのね。でも簡単に再利用が可能なようでよかったわ。私のいた世界では瓶の処理にも困っていたもの」
なるほどと相づちを打つ。
どうやらこの世界は日本より環境に優しい世界のようだ。
「って、今さらだけど何で化粧水7つあるのかしら?」
「え?今さら聞くの!?」
どうやら、他のことが衝撃的で数が増えていることには今さら気づいたらしい。
「私もなぜ増えたのか知りたいくらいだよ・・・」
結局、私が作った化粧水は普通には作れない化粧水のようでした。マリアにも理由がわからないらしい。
上手く化粧水が作れたら売ろうかとも思ったんだけど、これは値段がつきそうにないよね・・・。
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