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一章

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小さくなったプーちゃんは意気揚々とマーニャたちの前に姿を見せる。

「どうだ!」とばかりに胸を張って。

マーニャたちはプーちゃんを見てもなんの反応もしない。

あれ?猫って蛇とか蜥蜴をみると追いかけたりしなかったっけ?
おかしいなぁ。

プーちゃんはマーニャたちに構ってもらえなくて少し寂しそうだ。
マーニャたちは3匹で顔の舐めあっている。

まあ、いっか。
準備もできたことだし行こう。
マーニャたちに無視されてちょっと凹んでいるプーちゃんは見ないことにする。

「さあ、森に行こう」

マリアを先導に、マーニャたち、プーちゃん、私の順で歩き始める。
マリアの隣に並んで歩いてもいいんだけど、マーニャたちやプーちゃんが迷子にならないか気になるから最後尾を歩く。

しかし、後ろからみているとプーちゃんの歩く姿は蜥蜴そのものだ。
尻尾をゆらゆらと地面に引きずって歩いている。
猫が好きな動きだと思うんだけどなーその動き。
そう思って、マーニャたちを見るがマーニャたちは一切プーちゃんを見ない。見ないまま、前を見て3匹で競い合うように歩いている。
ご機嫌なようで、しっぽを立ててゆらゆら揺らしながらマリアの後について歩いている。

あの、尻尾可愛い。
触りたい・・・。

ふわふわな尻尾がゆらゆらと揺れているのを見るとふいに触りたくなってしまう。

触りたくて堪らないという目でマーニャたちを見つめていると、不意にマーニャが走り出した。

「マーニャ?どこにいくの??」

道の脇の茂みを掻き分けていく。すぐに姿が見えなくなってしまった。が、クーニャもボーニャも気にしていない。マリアも気づいているだろうに、立ち止まらない。
プーちゃんも立ち止まらない。

みんなどうして立ち止まらないんだろう?

「マユ、マーニャ様はお花摘み中だから見ないフリをしてあげて?」

思わず立ち止まってマーニャが消えていった方向を凝視してしまう私にマリアが教えてくれた。

お花摘み?

わからなくてマリアを見つめてしまう。
マリアは少し考えるような顔をして、「まあ、すぐに戻ってくるわよ」と言い、歩き出した。
マーニャがどうしたのか気になるが、マリアからは見ないフリをするように言われてしまったのでマリアについて歩き出す。
マリアも多少は気にしているようで、さきほどより歩くスピードが落ちた。クーニャとボーニャもゆっくりと歩いているようだ。
でも、プーちゃんはスピードを落とさないので必然的にプーちゃんんが先頭に踊り出した。

その瞬間。戻ってきたマーニャがプーちゃんの尻尾にダイブした。

「いたっーーーーーー!!!」

「にゃあ♪」

プーちゃんの悲鳴が聞こえてきた。
が、マーニャは気にしたようすもなく、プーちゃんの尻尾にじゃれついている。

ああ、そっか。
マーニャたちが小さくなったプーちゃんに興味を示さなかったのは、歩いているプーちゃんの尻尾を視界にいれてなかったからだったのか。
視界に入ったら尻尾に噛みついてしまうのね。

気づけば、クーニャとボーニャもプーちゃんに攻撃をしかけている。

ああ、プーちゃんやっぱり小さくなっちゃいけなかったみたいだよ?

3匹にじゃれつかれて、バタバタと尻尾を動かしていたプーちゃんだが、そのうち気絶してしまったのか動かなくなった。
まさか死んだりはしていないよね?
竜だもんね。
猫に倒される竜なんて聞いたことないけど・・・。

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