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一章
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しおりを挟む家のドアを開けるとマーニャたちがプーちゃんに飛びかかっていた。
何事っ!?と思ってみていると、トマトの側でへたれていたプーちゃんが、マーニャたちの先導によりこちらにノロノロとやってきた。
どうやら今の今までトマトの側でトグロを巻いてへたれていたらしい。
「マユ、先程はすまなかった。でも、我のせいでトマトが・・・」
「プーちゃん気にしないで。トマトはきっとまた美味しくなるよ」
「マユ・・・」
プーちゃんトマトのことすっごく引きずっているのね。気にすることないのに。
プーちゃんは目をウルウルと潤めている。
ポンポンっとプーちゃんの首もとを軽く叩いて元気づける。
「それより、私たちこれから森に行くんだけどプーちゃんはどうする?でも、その姿だと目立つか・・・」
話を変える。
いつまでもプーちゃんがメソメソしているのはいただけない。
こんなときは、気分転換にプーちゃんも誘ってみるのもいいだろう。
ただ、図体がデカイので目立つが。
プーちゃん、日本で読んだラノベみたいに人化できないのかなぁ。
あのラノベでは西洋ドラゴンが人化するものだったけど、東洋ドラゴンも人化できないものなのだろうか。
「行くっ!我は行くぞ!」
おお。プーちゃんさっきのへたれ具合はどこにいったのか、元気いっぱいに返事をする。
しっかし、この図体目立つよなぁ。
マリアがギルドに連絡したからプーちゃんは討伐対象外になっているとはいえ、実際に遭遇したらビックリするよなぁ。
「プーちゃん。その姿目立つよね。目立たないようにすることってできる?」
「ふむ・・・」
何やらプーちゃんは黙りこんでしまった。
思案しているようだ。
どうするんだろうか、プーちゃん・・・。
と思って、見ていると・・・。
「プーちゃん、なんだ縮んでない!?」
なんだか少しずつ小さくなっているような・・・。
思わずマリアの顔とプーちゃんの姿を交互に見てしまう。
マリアも驚いているようで、パシパシと瞬きを繰り返していた。
「・・・縮んでいるわね。聞いたことないわよ。縮む竜だなんて」
プーちゃんは少しずつ縮んでいき、最終的にはマーニャたちくらいの長さの竜になってしまった。
って、こう見ると竜っていうより蜥蜴に見えるんだけど。
ちょっと胴体の長い蜥蜴。
手と足がなければ蛇だよ。まんま蛇。
「この姿であれば、そんなに目立たないであろう?」
「目立たないと思うけど・・・。小さくなれたの?」
「うむ。試してみたらなれた。我はすごい。我はなんでもできるのだ。我にできぬことなどないっ!」
プーちゃんは小さい身体でフンッと胸を張っている。
さっきまでトマトで落ち込んでいたのに。メンタルが弱いんだか強いんだかわからない竜だ。
でも・・・気になることが一つ。
「猫って蛇みるとちょっかいかけなかったっけ・・・?」
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