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一章

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「お天気いいし、せっかくだから予定通り森に行ってみようかな」

 

まだ、時間も早いし朝食を食べて出かけても問題ないだろう。

朝から気疲れはしているが、ハイキングと思えばいい気分転換になると思う。

 

「身体は大丈夫?」

 

「うん。もう全然平気だよ」

 

「じゃあ、行こうか」

 

「あ、でも待って。まだ朝ごはん食べていないの。クーニャとボーニャの朝ごはんもまだだし、ご飯食べる時間ある?」

 

歩いて森に入るのならば、お腹が空いていては歩く力もでない。

朝食を抜いていてはとても森には行けないだろうとマリアに確認する。

 

「もちろん。いいよー。急ぐ訳でもないし。マユに時間があるなら毎日、森に採集に行ったっていいんだから」

 

「ありがとう。マリアも食べていかない?」

 

「私は家で食べてきたから、紅茶だけにしておくわ」

 

マリアはそう言って、自分の手元の紅茶が入っているカップを持ち上げて見せた。

それならばと、まずはクーニャとボーニャのご飯を器に盛り付ける。それから自分の朝食の準備を始める。

今日は時間がないから、パンと目玉焼きでいいかな。

 

「ちょっと卵とってくるねー。あと、クーニャとボーニャにご飯だよって伝えてくる」

 

「うん。行ってらっしゃい」

 

私はマリアに卵を取りに行くことを伝えて家の外に出た。

家の外では未だにプーちゃんにクーニャとボーニャがまとわりついている。

どうやら、「にゃーにゃー」鳴き声が聞こえるので、まだお説教中のようである。

 

私はプーちゃんに近づいてボーニャとクーニャに声をかける。

 

「ボーニャ、クーニャお説教は終わった?朝ごはんを用意したから食べにおいで」

 

「にゃあ♪」

「にゃん♪」

 

二匹とも嬉しそうに返事をして、家に向かって競うように駆けていった。

残されたプーちゃんはボーっとしていた。

どうも、大好きなマーニャたちに続けざまにお説教されたことと、自分のせいでトマトが不味くなってしまったことに衝撃を受けているようだ。

まったく、メンタルの弱い竜だ。

プーちゃんのことは放っておくとして、私の朝食用の卵を探しに鶏小屋に急ぐ。

鶏小屋にはもうすでに鶏はいなく、畑で思い思いに3羽で食事をしていた。

鶏小屋の藁の上には真っ白な鶏の卵が1つ置かれていた。

ふと、孵化機で孵化させようかとも考えたが、そうなると今日の朝食はパンだけになってしまう。

今日のところは卵は美味しくいただいてしまおう。

私は卵をそっと手に取ると、家に向かって歩き出した。

 

目玉焼き、ちゃんとに目玉の形になるといいな・・・。

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