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一章

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「コケーコッコッコッコッ」

 

「コケッコケッ」

 

「ぴぃぴぃ」

 

鶏小屋に着くと藁の上で3羽が固まってくつろいでいた。

どうやらもうご飯は食べ終えたようだ。

今日も3羽は元気いっぱいである。

 

しかし、鶏が畑の草をご飯にしているとのことだが一向に畑の草が減らない。

やっぱり、草むしりしないといけないのかなぁとか憂鬱になる。

 

「おはよう。今日も元気だねー」

 

マリアが鶏に挨拶している。

マリアったら鶏とも意思の疎通ができるのかしら?

 

マーニャたちは何やら足元でゴソゴソ何かを探しているようだ。

あっちをごそごそ。

こっちをごそごそ。

と、忙しなく動き回っている。

 

「にゃあ」

 

しばらくして、ボーニャが嬉しそうに鳴いた。

その瞬間、クーニャとマーニャがボーニャの傍に駆け寄った。

私とマリアの視線も自然とボーニャに向かう。

 

ボーニャの足元には、金色の卵があった。

 

「にゃぁ」

「うにゃぁん」

 

クーニャとマーニャは「よくやった!」とばかりにボーニャの左頬と右頬をそれぞれ舐めている。

ボーニャはそれをくすぐったそうに身をよじりながら受け入れている。

 

・・・金色の卵とかなんだか一波乱起きそうな気がするのは気のせいかしら。

 

「ボーニャ様ったら、またとてつもないものを見つけたわね」

 

「あれって何なのかな?」

 

「わからないわ。私も始めて見た。聞いたこともないし」

 

「そう。じゃあ鑑定してみよっと」

 

金色の卵を囲って、マーニャたちがじゃれあっているから邪魔をしないようにちょっと離れたところから金色の卵を鑑定しようと凝視する。

 

「・・・あれ?」

 

「どうしたの?」

 

いくら金色の卵を見つめようと鑑定することができない。

鑑定できないというよりかは、詳細が見れない。

 

【金色の卵】

 

と、だけしか見えないのだ。

金色の卵がなんなのか鑑定しても見えないのである。

 

「【金色の卵】としか表示されないの。詳細が見れないの」

 

「まあ!」

 

マリアは驚いたように目を見開いている。

 

「きっと、マユの鑑定スキルのレベルが低いから見れないのね。鑑定スキルのレベルを上げれば見れるようになるわ」

 

鑑定スキルのレベルが低いと見れない情報もあるのか。

知らなかった。

 

 

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