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一章
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しおりを挟む「違います。マーニャの友達が来ているんです」
まさか、マーニャの友達の竜が来ていますなんて言えないのでマーニャの友達と曖昧にする。
彼氏だったらどんなにいいことか。
でも、今は裏切られるのが怖くて彼氏なんていらないと思っているけど。
「マーニャ様の友達?この村の人?」
「んー。人じゃない感じです。でも、この村付近に住んでいるんです」
これ以上はボロが出るかな。
でも、村の人だって嘘はつけない。
だって、この村の人たち横の繋がりが太すぎてそんな嘘をついたら即バレる。
そんなことになったら追求がすごそうだ。
だから濁して答えているんだけど、結構リュリュっさんたらしつこい。
「ふーん。人じゃないんだ?動物?」
「まあ、そんなところです」
竜って動物なのだろうか?
爬虫類?
見た目は爬虫類だよね。
でも、爬虫類なんて言ったらプーちゃんに怒られるような気がするから、動物ってことにしておく。
「猫様・・・じゃないよね?」
「違いますよ」
なんで、こんなにリュリュさんってばしつこいんだろう。
少々答えるのが疲れてきた。
もう竜です!って言った方がいいのかなぁ。
でもなぁ。
そんなこと言ったら大騒ぎになるだろうし。
早くプーちゃん自分の住処に帰ってくれるといいんだけど。
「マーニャの友達待たせているんで、そろそろ行きますね」
そうにっこり笑顔で告げてリュリュさんから足早に逃げる。
「あ、待って・・・」という声が聞こえたが聞こえない振りをして家路を急ぐ。
一瞬リュリュさんがついてくるかと警戒したが、ついてくる気配はなかった。
アンさんのパンを買いに来たっていってたし、諦めてパンでも買っているのかな。
「ただいまー・・・」
玄関のドアを開けて、家の中に入ると同時にプーちゃんが飛んできた。
『マユ殿遅い!我は待ちくだびれたぞ!』
「あーすみません」
プーちゃんったら竜のくせに以外とせっかちな感じだ。
目を吊り上げながらクワッと口を開くと凄みが増す。
そっと、プーちゃんから目を逸らす。
ん?マーニャたちがいない・・・?
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