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一章
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しおりを挟む「帰って来ないわね」
「帰ってこないね・・・」
だいたいいつも、マーニャたちにご飯を上げているのが7時になる。
もう7時を過ぎているのに、マーニャたちが帰ってこない。
いくら猫様たちに安全な国でも心配になる。
「ここにいても仕方がないかもしれないわね。
食堂に行きましょうか。食堂ならいろいろと情報が集まってくるわ。
きっと猫様たちの情報も集まってくるかも」
「・・・そうだね」
ここにいても仕方がない。
情報を求めにいこうということになった。
もし、マーニャたちが帰ってきたときのために、ご飯はだしておこう。
私は、マーニャたちのご飯を保管庫の前に置くとマリアと供に家を出た。
家を出る際にもう一度マーニャたちを呼んでみたが返事もなければ姿も見えなかっ
た。
食堂までの道すがらもあちらこちらに視線を向けて探しながら歩いていたがやはり見
つからない。
「本当、どこに行ったのかしら・・・」
食堂についてすぐに聞き込みを始める。
顔見知りの村の人たちに話しをきいたが見ていないとのことだった。
ここは、冒険者の方たちにも話を聞くべきかしら。
私は、マリアと顔を見合わせてから、覚悟を決めて冒険者の元に近寄った。
「そういや、この村のダンジョンに猫様がいたな。
珍しいよな。猫様たちだけで来ていて下僕が一緒にいないなんて」
「野良の猫様たちなんじゃないか?」
「でも、あんなに可愛い猫様たちだぞ?下僕の1人や2人や3人いたっておかしくは
ない」
「そうだな。稀に見る可愛さだったな」
「もし特定の下僕が決まっていないんだったら、俺立候補しちゃおうかな」
「俺も!」
「俺も!俺も!!」
思わず、私とマリアは顔を見合わせてしまう。
もしかして・・・。
「ねえ、マーニャ様たちなんじゃない?」
「そんな気がしてきた。ちょっと会話に加わってくるわ」
私はそう言って、お酒の入ったビンを手に4人組みの冒険者たちの元に近寄っていっ
た。
冒険者たちは近づいてくる私に気づいたのか、話をやめてこちらを見てくる。
「どうした?ねえちゃん?俺たちになんかようか?」
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