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一章

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「コケコッコーーーーーッッッ!!!」

朝、けたたましい鶏の鳴き声を目覚ましに目を覚ました。
ベッドからもそっと起き上がると、マーニャたちはまだぐーすか眠っていた。
今、何時だろうと時計をみると午前5時。
鶏の朝は早い。

「コケコッコーーーーーッ!!」

まだ鳴くか・・・。
まだ5時だしもう一眠りとベッドに潜り込んだタイミングでまた鶏が鳴いた。
どうやら二度寝は許されないようだ。
しぶしぶベッドから起き出して、眠りの妨げをした鶏の顔を拝みにいく。

うるさいはずだ。
玄関の目の前で鳴いている。

私が家から出てきたことを確認した鶏二羽は、ダーッと畑の隅にある鶏小屋にかけていった。

・・・そうか、鶏は羽があるけど飛べないのね。

なぁんてことを今さら思い出す。

ひとまず私の眠りの邪魔をした鶏の後を追ってみる。
鶏小屋に着くと、二羽の鶏がせわしなく鳴いていた。
なんだろうと思い、小屋の中に視線を巡らせる。

・・・・・・・・・ん?

孵化機がなんだか小刻みに動いている。
しばらく見つめていると、孵化機の蓋が開いた。

「ぴぃーー」

ほわ!

開いた孵化機からは、ふわっふわの毛並みの手のひらサイズの小さなヒヨコが飛び出てきた。

「かわいいーーーーっ!」

思わず近寄り、ヒヨコを両手で抱き上げてみる。
見た目通りふわっふわな毛がとても心地よい。
ヒヨコの色は卵の色と同じ白色だった。

ヒヨコを抱き上げた私の足元では、二羽の鶏が自分達にも見せろと騒いでいる。
しょうがないなぁと、ヒヨコを地面に下ろすと、二羽の鶏がヒヨコを囲み何やらしゃべっているように見える。

親子だもんね。

通じる何かがあるのだろう。
ヒヨコは雌の鶏の胸に体をぴったりと寄せている。

・・・そう言えば、ヒヨコって何を食べるんだろう?
人間や猫みたいにミルクを飲むわけじゃないよね・・・?

まあ、でもきっとその辺は鶏たちが面倒を見てくれるのかな?
後でマリアに聞いてみよう。

「可愛いなぁ」とヒヨコを見つめていると、さわぁとした感覚が足にあたった。
クーニャだった。

「クーニャも可愛いよ」

すりすりと私の足に頭を擦り付けているクーニャ。
どうやら、甘えたいらしい。
そこに、マーニャとボーニャもやってきて、「にゃあ」と小さく鳴いている。

ご飯かな・・・?
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