婚約破棄されて異世界トリップしたけど猫に囲まれてスローライフ満喫しています

一章

４１

ハーメルさんが帰った後、私はハーメルさんから貰った水色の卵を鑑定してみた。
そこには、ピンク色の卵と同じく「精霊の卵」と記載されていた。
どうやら、ピンク色の卵も水色の卵も精霊の卵らしい。

「マリアは水色の卵があるってこと知ってた？これ珍しいの？」

「そうね。聞いたことはなかったわ。ハーメルさんってばどこでこの卵を手にいれたのかしら・・・？」

「不思議だよね・・・？」

「そう言えば、マユ。ハーメルさん鑑定してみた？」

「ううん。してない。だって失礼かと思って・・・」

「もしかすると・・・鑑定してみるべきだったかもね」

「そうだね・・・」

ハーメルさん。
噂にも聞いたことのない水色の卵を持っていたなんていったいどんな素性の人なんだろう。
もしかして・・・人間じゃなかったりして。なぁんて、まさかね。

「この卵大事にしてみよう」

「そうだね。精霊の卵だってわかったしね。どんな子が孵るのかな」

「楽しみだね」

水色の卵を撫でながらにっこりと微笑む。
なんとなく、この卵からは素敵な精霊が孵るような気がしてきた。
私は大事に卵をしまうと、

「種、撒いちゃうからいろいろ教えてね」

再び種まきを再開するのだった。



この日はマリアに教えてもらいながら、ひまわりの種とマリーゴールドの種、トマトの苗を植えた。
ゴマの種と小麦の種は明日以降巻くことにした。
だって、ゴマの種は数粒だけれども小麦の種は結構な量があるのだ。
こんなに一気に耕せないよ・・・。
マリアにも「無理せずゆっくりやればいいよ。」と言われてるし。

私は庭で戯れている３匹の猫を見ながら、農作業を終わりにした。
もう日も落ちかけているし、今日は早めに夕食にして、猫たちと部屋で遊ぼうかな。

「マーニャ、クーニャ、ボーニャ。おうちに入ろう？ご飯食べたら一緒に遊ぼう？」

畑の隅にあった猫じゃらしを手にマーニャたちを誘う。
マーニャたちは「にゃあ♪」と嬉しそうに鳴きながら私の後についてきた。

そして、この後私はマーニャ、クーニャ、ボーニャに寝るまで遊びに付き合わされたのだった。