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一章
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しおりを挟む大荷物になってしまった。
日もだいぶ傾いて来てしまったなぁ。
午後からマリアに手伝ってもらって、必要なものを買いに来たはいいけれど思った以上に時間がたってしまったようだ。
鶏を購入して外に出たら、外の景色は一変して夕日で真っ赤に染まっていた。
必要なものは買えたけど、これじゃあ帰ってから種を植えるとこまではできないかなぁ。
沢山買い物をしたので、両手いっぱいに荷物を抱えて、マリアと一緒に、家までの道のりを歩く。
「今日は種を蒔くの無理そうだねぇ」
「そうだね。思ったより遅くなっちゃったね。私が鶏を買おうなんて言っちゃったからかな。
明日にすればよかったね。ごめんなさい」
「いいの、いいの。気にしないで。むしろ、いろいろ教えてくれて有難う。
こちらこそ、いろいろ親切にしてもらってるのに、何のお礼も出来なくてごめんね」
お互い謝り合いながら歩くなんて、傍から見たら変な光景に見えるかもね。
そんな感じで歩いていたら、あっという間に家についていた。
「鶏、庭に放しちゃうね」
「え?このまま放しちゃって大丈夫なの?逃げない?」
「大丈夫だよ。この家を囲うように柵があるでしょ?だからこの家の敷地内からはでることできないから安心してね」
「あ、そう言えば柵で囲まれていたね」
この家の周りと家に隣接している畑を囲むように背丈ほどの柵が囲っている。
そうか、鶏は飛べないから柵を越せないのね。
「そうだよ。だから鶏は柵の中しかいけないの。安心だね」
「安心だね」
逃げないというのなら安心だ。
私はバスケットを畑兼庭に置き、蓋を開けた。
すると、待ってました!とばかりに、2羽の鶏が飛び出てきた。
「元気いっぱいだねー」
マリアが飛び出した二羽の鶏を眺めながら笑顔を浮かべる。
「ほんと、元気いっぱいだね。そういえば、この子たち鶏小屋みたいなの作らなくて大丈夫なの?」
「んー。ほんとうは雨風凌げる小屋があるといいよねぇ。小さなものだったら、ほら、そこの畑の端にあるよ?まあ、5羽くらいが限界の狭いところだけど。雨や風が強い日は小屋に入れた方がいいかもね?というか、自分で雨風凌げる場所に入ると思うよ」
マリアの指差す方をみると確かに小さな小屋があった。
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