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一章
11
しおりを挟む野菜がない。
あんなに畑がある村なのに、なぜ、この定食には野菜がないのだろう。
はて?
と思っていると、お皿がもう一つ追加された。
「このお皿はサラダバー用になっているの。よかったら沢山野菜を食べてね」
そう思っていると、ダンさんと同じ年頃の優しそうな女性が声をかけてきてくれた。
そういうことか。
野菜が豊富だから野菜は食べ放題ってことね。
「ありがとうございます。えっと・・・」
「私はサラよ。ダンと一緒にこの食堂と宿屋を経営しているの」
なんと、この綺麗で優しそうな女性はダンさんの奥さんだった。
リアル美女と野獣・・・。
「マユです。よろしくお願いします。
えっと、サラさんもお料理作るんですか?」
「私は作らないの。だって、私、調理のスキル持ってないんだもの。
それに、ダンには決して料理をしないようにって約束させられているの。
だから給仕オンリーなの」
「サラさんの料理は壊滅的ってこの村で有名なのよ!」
「こら!マリアちゃん。言わなくてもいいことを・・・」
「あはは・・・はは」
どうやら見た目に反して、サラさんは料理が壊滅的にできないようです。
こんなに優しそうな美人さんで、いいお母さんになりそうな人が。
まあ、人は見かけによらないって言うし。
旦那さんが料理上手なら別にいいよね。うん。
じぃーっとサラさんを見つめる。
調理のスキルがないってことは何のスキルを持っているんだろうなぁと思ってサラさ
んを見ていたら突然目の前に文字が浮かび上がった。
【名前:サラ
レベル:50
職業:宿屋の女将。給仕
スキル:調理器具破壊 Lv256
掃除 Lv150
帳簿 Lv146
給仕 Lv100 】
って!!
「調理器具破壊!!しかもLv256!!」
思わず驚いて叫んでしまった。
こんなスキルあるの!!
しかも、レベルが高すぎる・・・。
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