上 下
12 / 12

6ー2

しおりを挟む
「にゃ?(あれ?)」

「にゃにゃにゃ?(あれれ?」

でも、次の瞬間その驚きは別のものへと置き換わった。

なぜならば、クーニャの言う通りに生命の光が口の中に入ったら、ダンジョンで生命の光と戯れていた際の疲れが一気に飛んだのだ。驚かないわけがない。

「にゃにゃんにゃー。(すごいのー。)」

「にゃーにゃんにゃぁんにゃん。にゃんにゃんにゃー。(思った以上なのー。クーニャぐっじょぶなのー。)」

疲労も飛んで元気になった三匹はダンジョンの更に下の階層に向かってダッシュで階段を降りていくのだった。

「なあ、見たか?」

「ああ。見た。生命の光が猫様の口の中に入っていったぞ・・・。」

「そもそも生命の光って捕まえられないよな?」

「口でなら捕まえられるのか?」

生命の光をマーニャたちが取り込んだのを見ていた冒険者たちはその場で首を傾げた。

でも、生命の光を口にした瞬間にいきなり元気になったマーニャたちを見ていた冒険者たちはゴクリッと喉をならした。

もしかしたら、生命の光には疲労を回復させる効果があるのかもしれないと思い至ったのだ。

生命の光に疲労を回復させる力があるのならば、わざわざ高くて嵩張る回復薬をダンジョンに持ち込まなくてもよくなる。そうすれば、荷物は減らせるし、金銭的にも楽になる。

その場に残された冒険者たちは一心不乱に生命の光を捕まえようとするのだった。

しかし、手で捕まえようとしてもまったく捕まえることができず、マーニャたちがしたように口で捕まえようとしたが、マーニャたちの時とは違って生命の光は口に飛び込んできてはくれなかった。

それどころか、あざ笑うかのように口に入る瞬間でスッと飛んでいく。

何度も何度も試してみてもそれはかわらない。

そして、他の冒険者が試してみてもそれはかわらなかった。

ダンジョン内の昆虫を採取するために持ってきていた網を使って、生命の光を捕まえようとした冒険者もいる。

しかし、生命の光は網をすぅっとかいくぐってしまい捕まえることなどできなかった。

「・・・無理のようだな。」

「ああ。さすがは猫様だな。俺たちには敵わない。」

「ああ、そうだな。」

「でも、生命の光を取り込むことができたらっ・・・。」

「かなりの有益になるなぁ。どうにか出来ないものだろうか。」

「猫様にできたんだぞ!きっと俺達も・・・・。」

「でも、猫様だからこそ生命の光を取り込めたのかもしれないわよ。」

「「「猫様・・・。」」」

生命の光の絶大な効果を見てしまって冒険者たちは諦めきれずに涙を飲むのであった。

そんな冒険者の葛藤もしらずに、マーニャたちはダンジョンをどんどん攻略していくのであった。

 

しおりを挟む
感想 3

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(3件)

みみにゃん出版社

ツイッターから失礼します(=^x^=)
この感じの作品を読みたくて探していました!
お気に入りに登録して読みますね。

解除
クロツメ
2020.04.22 クロツメ
ネタバレ含む
葉柚
2020.04.24 葉柚

連れていってもらえればいいのですが。マーニャたちの声が理解できればいいのに。

解除
クロツメ
2020.04.18 クロツメ
ネタバレ含む
葉柚
2020.04.18 葉柚

本編煮詰まったので外伝やっちゃいました(笑)
マーニャたちに無双してもらうのです。

解除

あなたにおすすめの小説

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~

一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。 しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。 流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。 その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。 右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。 この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。 数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。 元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。 根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね? そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。 色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。 ……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

転移術士の成り上がり

名無し
ファンタジー
 ベテランの転移術士であるシギルは、自分のパーティーをダンジョンから地上に無事帰還させる日々に至上の喜びを得ていた。ところが、あることがきっかけでメンバーから無能の烙印を押され、脱退を迫られる形になる。それがのちに陰謀だと知ったシギルは激怒し、パーティーに対する復讐計画を練って実行に移すことになるのだった。

金眼のサクセサー[完結]

秋雨薫
ファンタジー
魔物の森に住む不死の青年とお城脱走が趣味のお転婆王女さまの出会いから始まる物語。 遥か昔、マカニシア大陸を混沌に陥れた魔獣リィスクレウムはとある英雄によって討伐された。 ――しかし、五百年後。 魔物の森で発見された人間の赤ん坊の右目は魔獣と同じ色だった―― 最悪の魔獣リィスクレウムの右目を持ち、不死の力を持ってしまい、村人から忌み子と呼ばれながら生きる青年リィと、好奇心旺盛のお転婆王女アメルシアことアメリーの出会いから、マカニシア大陸を大きく揺るがす事態が起きるーー!! リィは何故500年前に討伐されたはずのリィスクレウムの瞳を持っているのか。 マカニシア大陸に潜む500年前の秘密が明らかにーー ※流血や残酷なシーンがあります※

無自覚無敵のやりすぎファーマー~つき合う妖精は大変です~

深田くれと
ファンタジー
無自覚無敵のファーマーはその力をひたすら野菜作りに注ぐ生活を送っていた。 仲間の妖精たちはその野菜のうまさに惹かれ、規格外の主人に振り回されつつも、いつも必死に手伝いをする毎日。 そんなある日、野菜がとある商人の目に留まってしまう。 自分の店で取り扱いたいと言うのだ。 引きこもりで研究バカのファーマーがとうとう外に足を踏み出すことに!? *なろう様、カクヨム様でも掲載中です。

異世界着ぐるみ転生

こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生 どこにでもいる、普通のOLだった。 会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。 ある日気が付くと、森の中だった。 誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ! 自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。 幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り! 冒険者?そんな怖い事はしません! 目指せ、自給自足! *小説家になろう様でも掲載中です

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。