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「じゃあ、またね。」

「お外は危険が・・・いや、猫様に危険があるなんてことはないだろうけど。保護者が心配するだろうから早く帰りなよ。」

あ、理解してくれなかった。

人間たちはあたしたちに一瞥するとあたしたちに背を向けて山を登っていこうとする。

「ちょ、ちょっと待つのにゃっ!!」

「あたしたちも連れてってー。」

「抱っこして連れてってなのー。」

口々に待ってと告げるが人間は待ってくれなかった。

それならば、実力行使あるのみ。

あたしたちは視線を合わせて頷いた。

そうして、助走をつけて一気に駆け出すと人間の足に向かってぴょんと飛びつく。

もちろん、女の人の方が柔らかくて暖かいので女の人に飛びつく。

そうなると4人の人間のうちの1人だけが女の人だから片足ずつに飛びつくことになった。

これまた遅れてきたボーニャは女の人に飛びつくことができず、一緒に来るかと言っていた男の人に飛びついていた。

「うをっ!!」

「きゃっ!!」

「どうしたっ!?」

「こんなところで敵襲か!?」

人間たちは慌てて声をあげた。

でも、振り返ってあたしたちを見た瞬間、その顔がいっきににやけた。

・・・気持ち悪い。

「ああ・・・。猫様だ。猫様だ・・・。可愛いなぁ。もう。でも、驚かせないでおくれ。」

「あら、可愛いわね。抱き着いてきてくれるだなんて。ダンジョン行くのやめて、この子たちと遊ぼうかしら。いいよね?リーダー?」

「ぐっ。可愛すぎるっ。ああ、猫様が許してくれるのであれば存分にもふりたい。」

「猫様。可愛い。とっても可愛い。愛らしい。追ってきてくれるだなんて、もうどうしたらいいのか。」

人間たちはなにやら興奮している。

でも、ダンジョン行くのやめてあたしたちと遊ぶって!?

それは拒否したい。

だって、あたしたちはダンジョンに遊びに行きたいのだ。

それに、知らない人に触られるのはあまり好きではないし。

「やなのー。ダンジョンに行くの。連れてって?」

「ダンジョン一緒に行くのー。」

「ダンジョンっ!ダンジョンっ!!」

あたしたちはそれぞれダンジョンに連れて行って欲しいと訴える。

その訴えが通じたのか、人間たちはあたしたちをそれぞれだっこした。

ボーニャはリーダーって呼ばれた男の人に抱っこされている。

クーニャは唯一の女の人に抱っこをされている。

対してあたしは男の人に抱っこされていた。

クーニャ許すまじ。

あたしが女の人に抱っこされたかったのにぃー。

むぅ。

まあ、仕方ないこの人で我慢しておこう。

って、勝手に頭なでないでなのー。

・・・。

あ、でもこの人マユより撫で方上手いかも。ちょっと気持ちいい。

うっとりと目を細めて、男の人に身体を預ける。

薄目でクーニャとボーニャを見れば、それぞれ撫でられているようだ。

どちらも気持ちよさそうにしている。

至福にゃ・・・。

って、まどろんでいる場合じゃないにゃ。

ダンジョンに行くんだった。

「あたしたちをダンジョンに連れてって?」

もう一度、あたしを抱っこしている人間にお願いをする。

ダンジョン早く行きたいのー。

 

 

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