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しおりを挟む国王陛下と王妃殿下の元気な声を聞いて私たちは胸をホッと撫でおろした。それでも、二人の側でユフェライラ様の息のかかった誰かが見張りについている可能性を考えて私たちはそっと様子を伺うように先に進む。ややあって、道が開け部屋と思わしきドアが出現した。
木製のドアは外から部屋の中の様子を伺うことはできない。覗き穴のようなものも無いので、部屋の中に国王陛下と王妃殿下の二人だけでいるのかもわからない。話し声からするには国王陛下と王妃殿下の二人だとは思うのだけれども。
「オレがドアを開ける。ユリアとマリアは隠れていて。」
ドアの前で立ち止まると、シルキー殿下が私たちに聞こえるくらいの小声でドアから離れて隠れるようにと促してきた。
「シルキー殿下、危険ですわ。」
私はシルキー殿下の服の裾を掴んでドアを開けようとしているシルキー殿下を引き留める。
もしかすると、ドアを開けた瞬間に襲撃される可能性もあるのだ。
「大丈夫だ。部屋の中には2人しかいない。」
「どうして、わかるんですか?」
「気配でわかる。」
シルキー殿下は気配で部屋の中にいる人数がわかるらしい。でも、気配を消して潜んでいる人がいたら?
私はシルキー殿下のことが心配でジッとシルキー殿下のことを見つめる。
シルキー殿下は私が見つめるとなぜだか視線をすっと横に逸らした。
「マリアちゃんの言うことも一理あるわ。シルキーはこの国の第一王子ですもの。時期王位継承者が簡単に危険に身をさらしてはなりません。ここは私がドアを開けさせていただきます。」
すぐ側で様子を伺っていたユリアさんがシルキー殿下の前に出た。
「ユリア……しかし……。」
「ユリアさん……。それなら、私が……。」
シルキー殿下は困ったように眉を下げた。
ユリアさんが危険にさらされるのならと、私がドアを開けると志願する。でも、それはユリアさんに止められてしまった。
「大丈夫よ。シルキーがこの部屋の中には2人の気配しかないと言ったわ。大丈夫。それに……。」
ユリアさんは小声で私たちに「大丈夫だ」と告げると、ドアの前に立った。
「国王陛下、王妃殿下。ユリアがお迎えにあがりましたわ。」
そして、ドアの中にいる王妃殿下に聞こえるように声を張り上げた。
「ちょっ……。ユリアさんっ!」
「……ユリア。」
突然の大声に私は慌ててユリアさんの肩を掴む。慌てる私とは反対に、シルキー殿下は額を押さえた。
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