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「なんだ、あれは……。とんでもない女だな。あんな女をユースフェルトが好んでいると?アマリア嬢との婚約破棄までして、あんな女を求めると……?ユースフェルトはいったい何を考えているんだ。」
オレは隠れてアンナライラの様子を伺っていた。
アンナライラはシルキー王子を探しているようだ。
それも意味不明な理由を並べ立てて探しているらしい。
冗談じゃない。
アンナライラはシルキー王子という肩書を利用して王妃になろうとしているだけではないか。しかも、民のことは一切考えず、自分だけよければすべて良いという考えなのが嫌でも伝わってきた。
「アンナライラが王妃になるなんて冗談じゃないな。この国を破滅させる気だろうか。あれじゃあ、アマリア嬢の方が数百倍もマシじゃないか。」
一つ年下のユースフェルトの顔を思い出し、眉間に皺を寄せる。
ユースフェルトはお人よしで騙されやすく、とてつもない馬鹿だが民のことは少なからず考えていたはずだ。
だから、オレが人間の姿に戻れなくても、王も王妃もユースフェルトにしっかりとした妃をあてがえば、この国はなんとかなると踏んでいた。
そして王や王妃、重臣たちが慎重に慎重を期して選んだのが、アマリア嬢なのだ。
非常に厳しい審査だったと聞く。
結果が出るまで数年かかったとも。
「ユースフェルトもアマリア嬢のこと気に入ったって言っていたのにな。」
ポツリと呟く。
どこか寂し気なその声は「にゃぁ……。」としか発せられなかった。
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