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しおりを挟む「あら、アマリア様。おはようございます。」
「ええ。ごきげんよう。アンナライラ様。」
勝ち誇ったような笑みを浮かべてアンナライラ様は私に挨拶をしてきた。
ユースフェリア王子は、門で待ち伏せ。アンナライラ様は教室で待ち伏せというわけですか。
この学園内では身分はあってないようなものである。そう教えられている。だが、成績というものは多分に評価対象にされており、クラス別けは成績順と言ってもよい。
成績の良い順から、Aクラス、Bクラス、Cクラスといったように別けられている。
アンナライラ様はCクラスだ。私はAクラス。つまり、アンナライラ様は自分のクラスとは違うAクラスで私のことを待ち伏せしていたのだ。
ちなみに例外があって、ユースフェリア王子のクラス別けは成績とは関係なく必ずAクラスとなっている。
「アマリア様、王様からユースフェリア様との婚約破棄に承諾がおりたってお話は聞きましたかしら?もちろんご存知ですわよね?」
「……ええ。」
アンナライラ様の婚約破棄発言に、その場にいた全員がおしゃべりをやめて私たちの会話に聞き耳を立てる。
「王様も件名な判断をなされたわ。だって、気に入らない人を呪うような女性はユースフェリア様の婚約者として相応しくないもの。王様としても王室に迎え入れたくなかったのでしょうね。人を呪うような性悪な女なんてごめんですわよね。」
「……私は呪ってなどいないわ。それにアンナライラ様の発言は私に対する侮辱です。いくら学園内は身分を気にせずに過ごせと言われていたとしても、アンナライラ様の発言は見過ごせません。」
「そうね。アマリア様は侯爵令嬢ですものね。でも、私はユースフェリア王子の婚約者なの。将来あなたよりも地位の高い女性になるのよ。だから、今から私に跪きなさい。そうしたら、私を呪ったことを許してあげるわ。」
アンナライラ様はまだ王様にユースフェリア王子の婚約者として認められていないというのに。
「私は、アンナライラ様を呪ったりなどしておりません。ですから、私がアンナライラ様に跪く理由はございません。」
私はアンナライラ様のことを真正面から見つめる。
私はアンナライラ様に何もしていないのだ。堂々としていて問題ないはずだ。それに、アンナライラ様はまだユースフェリア王子の婚約者として認められていないのだから。
「呪っていないという証拠はあるのかしら?」
「では、逆に聞きます。私がアンナライラ様を呪ったという証拠はあるのでしょうか?」
皆の前で訊かれたのだから、私も遠慮せずに言い返す。
「あなたに呪われた私がそう言っているの。それが証拠よ。」
アンナライラ様は証拠にもなり得ないことを堂々と証拠だという。
「それ、証拠じゃありませんよね?私をお疑いになられるのであれば、それ相応の証拠を提示してください。」
私は毅然と言い放った。
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