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「ふふっ。モモラビちゃんったら美味しそうに食べるわね。私も頂きますね。」

「ミコトも食べる。」

 ロレインちゃんとミコトもモモラビに続いてサンドイッチに口をつけた。僕もサンドイッチに齧り付いた。

「んー!美味しい!!」

「美味しいわぁ!」

「ミコト、好き。」

 サンドイッチは噛むと口の中にジュワァ~とお肉の旨味が広がった。余計な味付けはされておらず、お肉の旨味が最高の味付けになっている。

「これなら、余計な味付けがしてなくてモモラビでも大丈夫そうだね。」

「そうね。香辛料も使ってないみたいだし。どうやってこんなに良いお肉の旨味を引き出しているのかしら。」

「はむっ……。はむっ……。」

 僕たちはサンドイッチの美味しさに舌鼓を打つ。ミコトはすっかり気に入ったようで何も言わずにただひたすらにサンドイッチを食べていた。

 こんな幸せな時間がずっと続けばいいのに。いや、続けて見せる。

 そのためには、やるべきことがある。

 この一年の間に力をつけてミコトを守れるくらいに強くならないと。そして、ミコトを探す白づくめの男たちにミコトを諦めてもらうようにしなければならない。

 そのためには、ララルラータの町にしばらく滞在してギルドの依頼を受けながら力をつけて行かなければ。

「……ロレインちゃん。ミコト。僕は思うんだ。このままのんびり冒険者として皆と一緒に暮らしていきたいって。」

 僕は声のトーンを落として二人に話しかける。

「……そうね。そうして行けたらとても幸せよね。」

「ミコト、幸せ。」

「ピッ!」

 ロレインちゃんは頷いてくれたが、僕がこの後に続ける言葉に感づいているようで神妙な顔つきをしている。

「うん。とても幸せ。でも、このままずっとミコトのことを隠し通せるわけもないだろうし、爺ちゃんのことも気になっている。それに、僕たちの町のことも。このままここでのんびりしてたらいけないような気がするんだ。だから、僕はしばらくはラルルラータの町でミコトやロレインちゃんを守れるだけの力をつけたいと思う。それからあの白づくめの男たちの居場所を突き止めて、ミコトを探さないように釘を刺したいと思うんだ。どうかな?」

 僕は簡単にこれからのことをロレインちゃんとミコトに相談した。

 

 

 

 
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