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「そうねぇ。ないと生活はできないわねぇ。」
「そうだよ。ご飯を食べるのにも、服を買うにも、どこかに泊るにしてもお金は必要なんだ。でも、今の僕はお金を稼げるような仕事なんてしてないよ。いちおう見習い冒険者ではあるけど、町はあんな状態だし。見習いでまだ一人前じゃないから……。」
見習い冒険者というのも、じいちゃんがいたから出来たことだ。つまり、冒険者でもあるじいちゃんに引っ付いて回って冒険者になるための力を蓄えていたってこと。
見習いだからまだ冒険者登録もしていない。
というか、黒髪の僕は忌避の存在だからこの国では正式な冒険者登録ができるのかどうかも不明だ。今まではじいちゃんがいたから、依頼の引き受けも、達成報告もじいちゃんがしていた。
僕はじいちゃんが引き受けた依頼の補佐としてじいちゃんについて行っていただけだ。
魔物の退治の仕方もじいちゃんから教えてもらっていた。だからある程度は僕だけでも魔物を退治することはできるはずだ。
「シヴァ、ロレイン、お金、必要。ミコト、お金、製造する。」
ミコトは目をキラキラさせて改善策を思いついたとばかりに発言する。
「えええっ!!?ほ、ほんとうにっ!?」
「ええええっ!!!?そ、それはダメよ。ミコトちゃん。そんなことしたらお偉いさんにつかまって処刑されてしまうわっ。」
僕とロレインちゃんはミコトがお金を作れることに驚いた。ほんと、ミコトってばなんでもできてしまうんだなぁ。正直にミコトはすごいと思う。
でも、お金を勝手に作ることは違法だ。
お金は硬貨だ。きっと、硬貨を作る材料さえあればお金を作るなんてことは簡単だろう。
だけれども、誰も彼もがお金を作っていたら不正が横行する。だから、国の法律でお金を勝手に作ることは禁止されている。
「……ミコト、ダメ。」
「ミコトはとてもすごいけど、お金は勝手に作っちゃいけないものなんだ。でも、ありがとう。ミコトは僕たちのためになにかしたいと思ってくれたんだよね。それはとても嬉しい。ありがとう、ミコト。」
「そうね。ミコトちゃんはとってもすごいわ。なんでもできちゃうんだもの。私たちのためにありがとう。でも、お金を勝手に作ってしまったらミコトちゃんが危険な目にあっちゃうからね。それはダメよ。他の方法を探しましょう。」
「……ミコト、わかった。お金、製造しない。」
ミコトはどうにかわかってくれたようで、コクリと頷いた。
「わかってくれてありがとう。ミコト。」
「世の中にはまだまだミコトちゃんの知らない常識がいっぱいあるわ。これから少しずつ覚えて行きましょうね。」
ロレインちゃんはミコトを優しく抱き寄せながらミコトのことを諭した。
「わかった。ロレイン、ミコト、いろいろ、教えて。」
「ええ。いっぱいいっぱい教えてあげるわ。」
「ありがとう。ロレイン。」
「僕も!僕も知っている範囲でミコトに教えてあげるね!!」
「ありがとう。シヴァ。ロレイン。ミコト、シヴァ、ロレイン、大事。無くしたくない。」
「僕もだよ。ミコトのこととっても大事だよ。」
「私もよ。ミコトちゃんのこと大好きよ。」
こうして僕たちは互いの絆を深め合った。
でも、絆は深まってもお金は増えないわけで。
先日、ラルルラータの町で購入した食料がまだ少しはあるけれど、このまま何日もじいちゃんの家で過ごせるわけではない猗。食料は一週間もたたずになくなることだろう。その間にじいちゃんが戻ってくればいいけれど、その保証はない。
もしかしたら、ずっと帰ってこないかもしれない。
今は僕たちだけでも生きていくための手段を探さなければならない。
「そうだよ。ご飯を食べるのにも、服を買うにも、どこかに泊るにしてもお金は必要なんだ。でも、今の僕はお金を稼げるような仕事なんてしてないよ。いちおう見習い冒険者ではあるけど、町はあんな状態だし。見習いでまだ一人前じゃないから……。」
見習い冒険者というのも、じいちゃんがいたから出来たことだ。つまり、冒険者でもあるじいちゃんに引っ付いて回って冒険者になるための力を蓄えていたってこと。
見習いだからまだ冒険者登録もしていない。
というか、黒髪の僕は忌避の存在だからこの国では正式な冒険者登録ができるのかどうかも不明だ。今まではじいちゃんがいたから、依頼の引き受けも、達成報告もじいちゃんがしていた。
僕はじいちゃんが引き受けた依頼の補佐としてじいちゃんについて行っていただけだ。
魔物の退治の仕方もじいちゃんから教えてもらっていた。だからある程度は僕だけでも魔物を退治することはできるはずだ。
「シヴァ、ロレイン、お金、必要。ミコト、お金、製造する。」
ミコトは目をキラキラさせて改善策を思いついたとばかりに発言する。
「えええっ!!?ほ、ほんとうにっ!?」
「ええええっ!!!?そ、それはダメよ。ミコトちゃん。そんなことしたらお偉いさんにつかまって処刑されてしまうわっ。」
僕とロレインちゃんはミコトがお金を作れることに驚いた。ほんと、ミコトってばなんでもできてしまうんだなぁ。正直にミコトはすごいと思う。
でも、お金を勝手に作ることは違法だ。
お金は硬貨だ。きっと、硬貨を作る材料さえあればお金を作るなんてことは簡単だろう。
だけれども、誰も彼もがお金を作っていたら不正が横行する。だから、国の法律でお金を勝手に作ることは禁止されている。
「……ミコト、ダメ。」
「ミコトはとてもすごいけど、お金は勝手に作っちゃいけないものなんだ。でも、ありがとう。ミコトは僕たちのためになにかしたいと思ってくれたんだよね。それはとても嬉しい。ありがとう、ミコト。」
「そうね。ミコトちゃんはとってもすごいわ。なんでもできちゃうんだもの。私たちのためにありがとう。でも、お金を勝手に作ってしまったらミコトちゃんが危険な目にあっちゃうからね。それはダメよ。他の方法を探しましょう。」
「……ミコト、わかった。お金、製造しない。」
ミコトはどうにかわかってくれたようで、コクリと頷いた。
「わかってくれてありがとう。ミコト。」
「世の中にはまだまだミコトちゃんの知らない常識がいっぱいあるわ。これから少しずつ覚えて行きましょうね。」
ロレインちゃんはミコトを優しく抱き寄せながらミコトのことを諭した。
「わかった。ロレイン、ミコト、いろいろ、教えて。」
「ええ。いっぱいいっぱい教えてあげるわ。」
「ありがとう。ロレイン。」
「僕も!僕も知っている範囲でミコトに教えてあげるね!!」
「ありがとう。シヴァ。ロレイン。ミコト、シヴァ、ロレイン、大事。無くしたくない。」
「僕もだよ。ミコトのこととっても大事だよ。」
「私もよ。ミコトちゃんのこと大好きよ。」
こうして僕たちは互いの絆を深め合った。
でも、絆は深まってもお金は増えないわけで。
先日、ラルルラータの町で購入した食料がまだ少しはあるけれど、このまま何日もじいちゃんの家で過ごせるわけではない猗。食料は一週間もたたずになくなることだろう。その間にじいちゃんが戻ってくればいいけれど、その保証はない。
もしかしたら、ずっと帰ってこないかもしれない。
今は僕たちだけでも生きていくための手段を探さなければならない。
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