にゃんこによる、にゃんこの為の、にゃんこ講座

葉柚

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「今日のにゃんこ講座は人間と暮らすには避けられないことを話すよ。受け入れられないかもしれないけど、とても大切なことなんだ」

そう、大切なこと。
不幸な子猫を増やさないために。

「人間と暮らし始めたら去勢手術、避妊手術を受けることになると思う。子孫を残せないことはとても悲しいことだけれど、この手術を受けなければならない」

「え!」

「なにそれ!!」

「どうして!?」

予想通り、あちらこちらから悲鳴があがる。
そうだよね。
僕も最初は戸惑った。

子孫を残すこと。
それは、生きているものにとって生まれた時から頭の中に植え付けられている思い。
それなのに、子孫を残せない。
悲鳴をあげたくもなるだろう。

「人間は一時に何匹も猫を飼うことができないんだ。ちゃんとに僕たちを飼うことはとても大変なことなんだ。一年に一回の予防接種。毎月のノミのお薬。一年に一回から二回の健康診断。それに、怪我や病気をすれば動物病院のお世話になる。それをちゃんとにおこなえるのは多くても一家に3匹くらいまでだと思う」

一般家庭では、1匹のところが多い。2匹3匹飼っている人もいるけれど。

猫の病院は保険適用外。
最近はペットの保険もでてきたけど、まだまだ加入している人は少ない。
だから、どうしても病院代の負担がかかる。
そのため、複数匹飼うのは経済的に難しかったりするのだ。

「うーん。僕たちを飼うのにもお金がかかるのかぁ」

「そうね。ご飯代もかかるわ。安いご飯もたくさん売っているけど、安いご飯は原材料に不安があるし。トイレの砂もね」

「そっか。僕たちを飼うって大変なんだ」

「そう。命を預かってもらうことになるからね」

皆考え込んでしまった。
人間に保護してもらえば、食べ物を食べれるか食べれないかわからない日々から解放される。
それに、病気で苦しい時にも面倒を見てくれる。
快適な寝床も用意してくれる。

メリットが大きい。
でも、その分人間が負担も増える。

それでも、僕たちは人間に興味がある。
相性のいい人間に飼ってもらいたいと思う。

「僕たちを飼うのにはお金がかかる。だから、僕たちの子供まで面倒を見てもらえるかといったら、見てもらえない可能性が高いんだ。だから、手術をした方がいいと思っている。」

そう。不幸な子猫を減らすために。
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