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しおりを挟む靴下さんは僕の病気のことを他の猫たちには黙ってくれていたようだ。
みんなに僕の病気が知れわたっているのかなと思いながら猫の集会に向かっただんだんと暑くなってくるある日曜日。
集会場についてもみんな何も言わずに僕を受け入れてくれた。
どうやら靴下さんは、僕の病気のことをみんなには黙ってくれているようだ。
「マオ、今日もよろしく!」
「よろー!」
猫たちが僕に挨拶してくる。
それに答えながら靴下さんを探すと、いつもは前の方にいるのに後ろの隅に隠れるようにしていた。
僕は靴下さんに近づいた。
「おはよう、ありがとう(黙っていてくれて)」
「マオ、無理しないでね」
「うん。ありがとう」
靴下さんは僕を心配してくれていたようだ。
なんだかその気持ちがくすぐったくて、僕は靴下さんの右頬をペロッと舐めた。
そうしてから、僕は真ん中に躍り出た。
「今日もよろしくね。今日は、動物病院について話すね」
今日は動物病院の話。
人間に飼われている以上、必ずお世話になるところ。
僕も最初は怖かった。
はじめてみる人に身体中を触られるんだ。
僕は人見知りが激しいから、知らない人は怖い。そんな人に触られるのはとても怖い。
でも、ユウが僕の背を撫でながら「大丈夫だよー」と言っているから、そっと体の力を抜くんだ。
でも、怖かったんだよ。
動物病院につれていかれるまでも、狭い箱の中に入れられてどこに行くのかわからないから不安だった。
不安だったからずっと鳴いていたね。
もう慣れちゃったけど。
「動物病院では主に僕たちの病気を予防したり怪我を治してくれるところなんだ。まあ、必ずしも全て治せるかと言われたらそうでもないんだけどね」
「病気の予防?」
「病気って予防できるの?」
白猫さんと三毛猫さんが聞いてくる。
「うん。予防できる病気もある。ワクチンって呼ばれている注射を打つんだ。チクッとするけどすぐに終わるよ。これをやっておくと感染症にかかるリスクが減って、病気になっても軽いものですむんだ。感染症の中には死に至る病気もあるから、それをこの注射で予防するんだ。」
「へぇー。すごい薬もあるんだね・・・。僕たち野良猫には打ってくれないのかな?」
「打っている自治体もあるんじゃないかな?でも、この地域では聞かないね。」
「そっか・・・。残念。」
「結構値段が高いからね。僕は5種って呼ばれているワクチンを打っているけど5000円かかるってユウが言ってた」
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