にゃんこによる、にゃんこの為の、にゃんこ講座

１４

一匹でも多くの仲間に幸せになってもらいたい。
そう思ったのは、僕が病気になってから。
なんとなく具合が悪いなぁと思っていたらユウに病院に連れていかれた。

そして、僕が病気であることが判明していた。
ユウはずっと泣いて僕を撫でていてくれた。

僕の病気は癌だった。
ずっと僕に「ごめんね」って泣いて謝っていた。

ユウのこと確かに少し恨んだ。
もうちょっと猫のこと勉強してくれればって。
でも、ユウのことは嫌いになれない。
だって、僕のことがどんなに好きかわかっているから。

癌は一度発病してしまったら薬で進行を送らせたり、痛みをとるだけだったりする。
画期的な治療法が今は存在しないそうだ。

僕の命は後少し。
僕がいなくなったらユウは泣いてしまうかもしれない。いや、確実に泣くだろう。
だから僕はその涙を減らしたい。
ユウは猫が好きだから。猫が幸せになれる道を僕は猫たちに伝えていく。

願わくばすべての猫が幸せになりますように。

そのためには、僕が生きているうちにちゃんとににゃんこ講座を最後まで終わらせないと。

僕は決心しながら家路を急いだ。
今日は日曜日。
一分一秒でも長く泣き虫なユウの側にいなければ。