にゃんこによる、にゃんこの為の、にゃんこ講座

５

【にゃんこ講座 第二回】

二回目のにゃんこ講座は人間の習性について説明することにした。
僕たち猫と人間の習性は似ているようで異なっている。
僕たちにとっては喧嘩を売っているような行為が人間にとっては僕たちへの好意の現れだったりすることもある。
僕たちに好意を持っている人間が全て僕たちの習性について詳しいという訳でもない。
だからその辺を今日は説明することにした。
第一回とあわせて信頼できる人間を見つけてほしいから。

「第二回目の今日は、人間の習性について。僕たちは目を合わせてじっと見つめていると警戒しているもしくは、敵意を持っていると感じる。けれど、人間は違う。人間は、好きなもの、好ましいものに対してもじっと見つめてしまう習性があるんだ。だから、じっと見つめてきた人間が全て僕たちに敵意を持っているとは限らない。仕草ではなく人間の雰囲気を感じとった方がいい」

「でも、じっと見つめられると落ち着かないよ」

「そうね。落ち着かないわ」

僕の話を聞いていた猫たちが声をあげる。

「確かに、僕たちは目を見つめられると落ち着かない。だけど、敵意ある人間でなければ大丈夫だよ。こちらから目を離しても大丈夫だ。だから、じっと見つめてくる人間が僕たちに敵意があると必ずしも思わずに接した方が良いと思う。無理はしなくていいから」

少しでも、選択肢があれば幸せになる猫も増える。
どうしても無理だという猫は自分にあう人間を探せばいいと思う。必ずしも、僕たちが無理して人間にあわせることもないのだから。

「人間のなかには僕たちをみて「可愛いー！」と駆け寄ってくる場合がある。これは、僕たちに好意を持っている人間が主にとる行動になる。けれど、僕たちは大声をあげられることも、突然近寄ってくるのも苦手だ。」

「うん。怖くてやだ。」
「僕も逃げるね。怖いから」

そう。僕たちは突然の動きや大きな音は怖いと感じるんだ。
それが僕たちの習性。

「怖いのはわかる。そのときは逃げてもいいと思う。だけど、僕たちを可愛がってくれる人間の可能性が高い。だから、もしよければ少しずつ距離を近づけてみてもいいんじゃないかと僕は思う」

うん。可能性は広げるためにあるんだから。

「他にはー？他にはなにかないの？」
「僕も知りたい。教えて？」

にゃんこ講座二回目にして、皆の食いつきがよくなっている。
僕はにゃんこ講座を続けることにした。