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第65話
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「……つぅ。あーーーーっもう!頭がガンガンしてんだから、二人でもめないでよね!!」
「っ!?」
「にゃっ!?」
ヒューレッドとフワフワのやり取りに苛立ったマリアが声を上げた。
どうやら意識が回復したようである。
マリアはガンガンと痛む頭を右手で押さえながらゆっくりとベッドから上半身を起こした。
「マリアさんっ!!大丈夫なのかっ!!」
ヒューレッドは意識を回復させたマリアを見て驚いて大声を上げてマリアの肩を掴んだ。
「ちょっ!!だから、頭がガンガンするんだからっ!!大声出さないでってばっ!!」
「あっ。すまない……。」
「マリア、目を覚ましてよかったのー。」
フワフワも安心したようにマリアの側にスルッと近寄って、マリアの腕に頬ずりをしている。
「……まったく、あんたはバカなのっ!?マリルリの言う通りなんてしたら、マリルリがつけあがるだけじゃないっ!マリルリがセレスティア様やフワフワや私を守るとでも思うのっ!!絶対、秘密裏に殺しに来るに決まってるじゃない!!まあ、マリルリからしたら私やフワフワのことは放っておくかもしれないけど、セレスティア様のことは目の敵にしているのよ!セレスティア様が生きているって知ったらどんな手を使ってもセレスティア様を殺そうとするわ!!」
マリアはヒューレッドを怒鳴りつける。
あまりの声量にフワフワもヒューレッドも耳をふさいだ。
「そうは言うけど……オレには……オレには、マリルリを倒すだけの力はないんだ。無力なんだよ。オレは……。だから、マリルリに命乞いをするぐらいしか……。」
「諦めないでよ。あんたがセレスティア様の唯一の希望なのよ。諦めたらそこで全てが終わっちゃう。この国が終わっちゃうのよ。この国が全てマリルリのものになっちゃうのよ。」
マリアは目に涙をいっぱい溜めながらヒューレッドに懇願した。
「っ!?」
「にゃっ!?」
ヒューレッドとフワフワのやり取りに苛立ったマリアが声を上げた。
どうやら意識が回復したようである。
マリアはガンガンと痛む頭を右手で押さえながらゆっくりとベッドから上半身を起こした。
「マリアさんっ!!大丈夫なのかっ!!」
ヒューレッドは意識を回復させたマリアを見て驚いて大声を上げてマリアの肩を掴んだ。
「ちょっ!!だから、頭がガンガンするんだからっ!!大声出さないでってばっ!!」
「あっ。すまない……。」
「マリア、目を覚ましてよかったのー。」
フワフワも安心したようにマリアの側にスルッと近寄って、マリアの腕に頬ずりをしている。
「……まったく、あんたはバカなのっ!?マリルリの言う通りなんてしたら、マリルリがつけあがるだけじゃないっ!マリルリがセレスティア様やフワフワや私を守るとでも思うのっ!!絶対、秘密裏に殺しに来るに決まってるじゃない!!まあ、マリルリからしたら私やフワフワのことは放っておくかもしれないけど、セレスティア様のことは目の敵にしているのよ!セレスティア様が生きているって知ったらどんな手を使ってもセレスティア様を殺そうとするわ!!」
マリアはヒューレッドを怒鳴りつける。
あまりの声量にフワフワもヒューレッドも耳をふさいだ。
「そうは言うけど……オレには……オレには、マリルリを倒すだけの力はないんだ。無力なんだよ。オレは……。だから、マリルリに命乞いをするぐらいしか……。」
「諦めないでよ。あんたがセレスティア様の唯一の希望なのよ。諦めたらそこで全てが終わっちゃう。この国が終わっちゃうのよ。この国が全てマリルリのものになっちゃうのよ。」
マリアは目に涙をいっぱい溜めながらヒューレッドに懇願した。
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