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第二章
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しおりを挟む「僕はずっと、華のこと忘れたことなかったのに。ずっとずっと・・・華に触れたいと思ってた。」
さらにぎゅっと抱き締められる。
青年の言葉の響きはとても切実で、とても苦しそうだった。
それに・・・・・・「華」って・・・。
もしかして・・・。
「凪なの・・・・・・?」
ナギ様に似ている凪。
ううん。凪に似ているナギ様。
この世界の元になっている乙女ゲームを開発したのが春兄なら、凪に似せてナギ様を作ったのだろう。
・・・私のために。
「そうだよ、華」
目に涙を溜めながら、凪が私を見つめてくる。
ぐっ。可愛い。
「凪っ・・・生きていたのね」
目の前の青年が凪だとわかると、とても可愛らしく感じてしまう。
仕草の一つ一つがとても、愛らしい。
「ごめんね、華。僕は君が知っている通り死んでいる。だから、この世界に転生できたんだ。春のおかげで」
「やっぱり・・・死んでしまったの・・・。ごめんなさい。私がいけないの・・・私が・・・。凪、ごめんなさい」
「華が悪い訳じゃない。僕は華に会えて幸せだったんだ」
「凪・・・」
辛い過去を思い出しそうになり、また頭痛がし始める。
「華、無理に思い出すことはないんだ。今を生きているんだから」
凪に抱き締められながら、凪に再び出会えたことがとても嬉しいと感じた。
凪に抱きつき、涙を流す私を凪はずっと撫でていてくれた。
「・・・春兄ありがとう」
この世界に凪を転生させてくれた春兄に感謝をする。
いつでも春兄は私を助けてくれた。
そして、今も私を幸せにしようとしてくれているのが、とてもよくわかった。
春兄のことも、凪のことも忘れてしまっていたけど・・・。
まだ、全部思い出すのには私の覚悟が足りないから、一部分だけしか思い出せないけれど。
しばらくして、私は泣きつかれて眠ってしまったようだ。
起きた時には人の形をした凪はおらず、猫のナギ様が私の枕元で丸まって眠っていた。
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皆そばにいてくれたんだ。
私も、全てを受け入れられるほど、心を強くもたなければいけないのかな。
でも、今はまだ猫様たちに癒されていたくて。もう一度、目を閉じた。
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